“Ç”セットがチョー豪華なサイレント映画「イントレランス」

イントレランス(INTOLERANCE)

イントレランス

監督:D.W.グリフィス
出演:リリアン・ギッシュ、メエ・マーシュ

評価:70点

たまには映画の教科書に載るような
作品を観ようと、借りてきた
映画創世記の巨匠D.W.グリフィス。
なんと無声映画にも関わらず
2時間40分もあるというのだ
果たして…

「クラウド・アトラス」の原点

ストーリー構成は今観ても斬新だ。
・無実の罪の男が処刑させそうになる話
・キリストの受難
・ペルシャによってバビロンが滅ぼされる様子を描いた話
・サンバルテルミ虐殺事件

の4つを交互に描いていく描いていくオムニバススタイルが
取られている。オムニバススタイルといえば、
一話ごとに終わらせるイメージが強いが、
「イントレランス」では2013に公開された
「クラウド・アトラス」に近い、
ちょっとずつストーリーを進めていく
スタイルが特徴だ。

故に、前半はまどろっこしいのだが、
後半になるに従ってカタルシスの
レベルが桁違いに増幅する
効果が見込める。

特に「イントレランス」では、
あまりに細かいカット割りと、
多重露光による神々しい描写で
今観ても涙腺潤むカタルシス
ラストとなっている。

豪華絢爛なセット

一応パブリックドメインでyoutubeにて観られます↓

本作は様々な技法と、
膨大なエキストラ、
巨大なセットをつぎ込んだ
映画版広辞苑と言える作品である。

バビロン編では、実際にアメリカの
サンセット大通りの横に
(今でも一部が残っている)
高さ90メートル・奥行き1200メートル
の巨大セットを作り、
絶妙なクレーン撮影で
じわじわと迫る圧巻な
映像が作られている。

そして、今とは違って
昔はフィルムで撮影されていた。
編集の際にカットする映像の
重みが今と違う。非常に重く
決断をしないといけないのだが、
グリフィスはばしばしと
映像を切り刻む。

絶対このシーン何十分も
撮ったであろうシーンが
数秒にぶつ切りされるところを
観るとグリフィスの
大胆さに驚かされる。

そして、「マッド・マックス/怒りのデス・ロード」
もビックリするほどの異常な
映像の切り替え、この高速切り替えが
物語を盛り上げ、無声映画にも関わらず
2時間40分飽きさせないのだなと感じた。

しかもあの超大作「國民の創生」の翌年
1916年に発表していたとなると
マジですげーなと感じました。

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