ルクリ(ROUKLI)
監督:ヴェイコ・オウンプー
出演:ユハン・ウルフサク、ミルテル・ポフラ
エヴァ・クレメッツetc
評価:60点
なんか、噂でとっても変な映画だと
聞いた。エストニアと言えば、
最近アカデミー賞に「タンジェリン
」
がノミネートしたことから、
ジョージアとともに注目株だ。
今回紹介する「ルクリ」は
最先端の映画に詳しい人達から
注目されている鬼才ヴェイコ・オウンプー
の作品とのこと。
早速東京国際映画祭で観て来たぞー
どれどれ…
彼の代表作1「Sügisball」の予告編
彼の代表作2「聖トニの誘惑」の予告編
どぅーんどぅーん「ルクリ」の恐るべき世界
話自体はシンプルだ。戦争から隔離して完全自給自足して生活している
3人の前に、ルクリから怪しい組織の襲撃に遭い逃げてきた
人が現れる。しょうがなしに匿ったところ、
その組織の魔の手が及ぶ…
シンプルでしょー
でも、これが訳が分からない。
いきなり野原で倒れたり、
5分以上どぅーんどゅーんと、ドラのような電子音を
バッグに森を散歩したりする。
謎の組織に捉えられても、
急に消滅して解放される…
エストニア史を知らないと訳ワカメな
作品でしたm(_ _)m
ってことでエストニアのことを調べてみたぞ!
占領されまくりの戦時中
第二次世界大戦中、
エストニアはソビエト連邦に占領されてしまった。
しかし、独ソ戦でドイツが勝つと、
ナチスドイツに占領される。
戦争末期、ドイツが劣勢になると解放されるかと
思いきや、またもやソビエト連邦に
占領され1991年まで、
ソ連にビクビクしながら生きた歴史があった。
恐らく、この作品は2つの国からの占領の
恐怖を普遍的に描き、特に
人の内面をヴィジュアライズすることに
拘った作品と言える。
冒頭、三人の家の外から爆撃音が聞こえる。
これはまさに独ソ戦の戦場を意味している。
そして、謎の組織はナチスであろう。
「ルクリ」が戦争で消滅し、難民がやってくる
シーンでドイツの侵攻を思わせる。
そして三人の「戦争の魔の手がすぐそこに
来ている恐怖」があのアヴァンギャルドな
ビジュアルに込められている。
そして、謎の組織が突如消えるシーンは
ナチスが劣勢になり撤退することを
表しているのだろう。
不思議な作品だが、
画面に引き込まれたぞー
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