“Ç”NETFLIX初オリジナル作品「ビースト・オブ・ノー・ネーション」

ビースト・オブ・ノー・ネーション

ビーストオブノーネーション

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:イドリス・エルバ、エイブラハム・アタetc

評価:90点

NETFLIX初オリジナル作品にして、
ヴェネチア映画祭で新人賞を
獲得した「ビースト・オブ・ノー・ネーション」。
NETFLIXでは10/16より公開となっているが、
ブンブンは東京国際映画祭
大スクリーンで観て来ましたぞ!

幸せな家庭が突如…

国連軍に守られた村の少年アグーは
貧しいながらも陽気に暮らしていた。
しかし、国連の方針で村から追い出されてしまい、
その村に過激派政府軍がやってきてしまう。
命がけで逃げ切ったアグーだったが、
今度は武装軍団に捕まってしまう。
そこのカリスマ指導者に気に入られた
アグーは武装軍団と行動するようになる。

まあ、話自体はよくある戦争もの
ではあるのだが、映画監督に良心的な
NETFLIXの作品だけに妥協がない。

少年が人を殺すシーンが非常にリアルで怖い。
「少年だから…」と安心していたら大間違い。
間髪入れずに銃やマチェーテで人を
殺して殺して殺しまくる。
ドラッグ吸引後のトリップする様子も
色鮮やかな映像で描く。
普通の映画だったら配給会社から
レイティングの都合もあり
NGな内容をこことぞまで描ききったのは
本当に凄い。

そして、殺しの鬼となっていく
アグー扮するエイブラハム・アタ
の演技が本当に凄まじい。

冒頭、陽気に周囲のおじさんに
ガラクタを売りつけたり、
いたずらをしている少年が、
感情を失った時の顔が怖い。

そんな彼が、ある人の前で
「彼女は戦争を知らないから
子どもだ。僕は戦争を知りすぎて
老人だ。」

と回想の台詞を言うシーンで背筋が
凍った。こんな過激派が言いそうな
哲学を、ここまで魂込めて
言うなんて恐ろしい(汗

武装軍団に共感する

そして何よりもこの映画が偉いのは、
しっかり武装軍団の人々に
人間味を帯びさせているのだ。
少年兵のリーダー的存在
ストライカのツンデレ演出。
司令官の凶暴だが、
カリスマ性を持っていて、
少年兵のことを心から想っている。
観ていると、彼らは汚職にまみれた
政府軍を倒して平和を取り戻そうと
しているんだなと分かる。

しかし、同情した上で
「内戦が終わったら国連から戦争犯罪人
として裁かれる」
運命を
突きつけるから本当に
キャリー監督恐ろしい。
世界の反対側でこんなことが
行われているんだと観客に
銃を突きつけながら語っているようだ。

撮影に10年かかった

そんな渾身の作品「ビースト・オブ・ノーネーション」。
撮影に10年かかっているようです。
キャリー・フクナガ監督(日系アメリカ人だが、
完全に外国人。日本人っぽくはありませんでしたw)
による舞台挨拶で彼は語る。
最初、アルジェリアで撮ろうとしたら内戦が
激しくて撮れず、また内容が内容だけに
なかなかスポンサーが見つからなかったとのこと。
英語で撮影したかったため、最終的に
ガーナでロケが決まったのだが、
現地でマラリアに罹るわ、崖から落ちそうに
なるわ…と壮絶な撮影秘話を語ってくれました。

NETFLIXでも観られるので是非、
一度はご覧あれ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です