“Ç”サカナクションの音色が!アクションシーンが!「バクマン。」

バクマン。(BAKUMAN。)

バクマン。

監督:大根仁
出演:佐藤健、神木隆之介、小松奈々、山田孝之、
リリー・フランキー、宮藤官九郎etc

評価:80点

ジャンプ漫画と言えば、
「友情、努力、勝利」の三本調子で繰り広げられる
アツアツなバトル漫画、
あるいはギャグ・お色下全開の漫画の
イメージが強い。

しかし、そんなジャンプ漫画のなかで異色を
放つ作品が2008年に登場した。
それが「バクマン。」だ!
「DEATH NOTE」連載終了後音沙汰なかった
大場つぐみが突如放ったその作品は
なんと、ジャンプに連載されるまでの
苦行を描いたメタストーリー。

確かに、「友情、努力、勝利」漫画では
あるがストーリー的には地味で愚直な
様子を写した作品…しかし人気を博して
無事映画化って!こんな地味な話どうやって映画化するの??

「モテキ」の大根仁の凄腕

漫画家が漫画を地道に描く話はないわけじゃない。
ツレがうつになりまして

」や漫画ではないが、
美しき諍い女

」等ある。
「トキワ荘の青春」だってそうだ。

しかし、一歩間違えると「美しき諍い女」
のように淡々とした
映画になってしまい、大衆映画として厳しいものとなる。

しかし、「モテキ」にてミュージックビデオさながらの
映像さばきで映画好きを夢中にさせた大根仁は、
今回も抜群のセンスで見事に従来の漫画家ものにない
「アクション」を生み出した。

まず、凄いポイント1
邦画初プロジェクションマッピングを使用したシーン。
漫画家にしかわからない、
漫画を一生懸命描いてるときの躍動感。
アドレナリンマックスの状況をどう表現。
普通だったらCGを使うものの、
大根監督は今はやりのプロジェクションマッピング
の技術を駆使して、邦画CGのしょぼさで観客の集中力を
遮る問題を回避した。

漫画家の友達曰く、ペン裁きに問題はあるようだが、
ブンブンも含め一般客には漫画家のアドレナリン
ゾーンを全身で受ける心地よいシーンだ。

「バクマン。」の凄い点2
なんと、「るろうに剣心」のスタッフを起用して
派手な殺陣シーンを盛り込んでいるのだ!
普通の映画だったら、漫画家のリアルな活動を
捉えるだけだろう。それだと、観客は物足りなく
なるかもしれない。漫画家の脳内の荒波を
描くことは難しいだろう。
そこを、染谷将太扮する天才漫画家VS神木隆之介×佐藤健
の空想殺陣シーンを創り出すことで
観客の心を漫画家側に引き込むことに成功している。
スタッフも「るろうに剣心」、しかも主演も「るろうに剣心」
のあいつら故にこの殺陣が見応え十分!
いや~ここまで漫画家の苦悩が心に染みこんでくる作品は初めてだ。

極めつけはサカナクション

そして、この作品のイメージを支配するのは
異色のサカナクション!
普通に主題歌だけなら、
別に不思議でもなんでもないが
なんと、サントラ全部サカナクションの
山口一郎が作っているとなると話は違ってくる。

サカナクション独特の透明感のあるものの、
そしてハンス・ジマーといったサントラを
作っている人とは別次元のサウンドが
「バクマン。」を面白く支配している。

ジャンプ漫画の映画化なのに、
オシャレで画面全体から浮遊感まで漂ってくる。
ペンで描く音がエレクトロを醸し出させる
ところはもう圧巻としか言いようがない。

確かに、時折そのサウンドがくどく見える
ところがあったり、そもそも脚本的に
どうなの(佐藤健扮する高木の設定に無理ある)
と思うところがあったりとするのだが、
エンドロールでサカナクションの「新宝島」
をバックに展開されるサプライズを観たときには
そんなの吹き飛ぶぐらい魂揺さぶられる作品でした。

「友情、努力、勝利」王道だが悪くないね~(*^_^*)


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