炎628(Иди и смотри)
監督:エレム・クリモフ
出演:リューボミラス・ラウセビチャスetc
評価:95点
戦争映画の醍醐味は、
リアリティにある。
いかにして、戦場の悲惨さを映像で表現するかに
監督や撮影者は知恵を絞り出す。
そして「プライベート・ライアン」や「フューリー」
といったリアルな戦場描写のある作品が作られてきたが、
そんな作品が子供だましに見える、
恐ろしい地獄絵図をロシアが作っていたことをご存じだろうか?
今回紹介するのは、タランティーノも絶賛した
「炎628」って作品だ。
来て、見ろ!(原題訳)
ナチス時代に628の村がむごい焼かれ方で殲滅された実話を元にした作品。
原題は直訳すると「移動と観察」。
ドキュメンタリータッチなので、
主人公の少年兵がダンテの「神曲」の
ように地獄巡りする様子を
少年兵と同じ立場で突きつけられる。
原題がロシア語の命令形で「来い(Иди)」
「見ろ(смотри)」を並べたものだが、
マジで戦場に来て地獄を魅せられる
ので…本当にむごかった!
マジで人が死んでいるのではと思うほど、
どろどろぐちゃぐちゃ血まみれな戦場。
実写版「進撃の巨人」でも引用された、
教会(?)のような建物に人を
すし詰めにし虐殺するシーンは
マジで直視しがたい。
全然血しぶきとかゴア描写はないんだけれども、
観客の想像力が恐怖をかき立てる、
それこそ「悪魔のいけにえ」と同じタイプだ!
少年の演技に注目
そして、なんと言っても残虐風景に負けないのは
少年の演技力!
最初は、「僕も国のため戦うんだ!」、「あっ!銃忘れちゃった☆」
など青二才、純粋さを持つ顔が、
地獄を体験した後の死んだ魚のような目!
感情がなくなり、泣いているのか怒っているのか、
わからないような顔、本当に戦争に行ってきたのでは?
と思うほどリアルすぎて怖い、トラウマになる。
鬼畜ロケで有名な園子温でもこんな顔を
俳優から引き出すのは難しいであろう。
そんな少年が、ラストに怒りの銃撃を放ち
始まる伝説の逆再生映像もまた
哀愁があり泣けてきた。
これは、戦争映画好きも意を決して観ないと
うなされる、ある種のホラー映画でしたm(_ _)m
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