Song of the Sea~海の歌
監督:トム・ムーア
出演:デヴィッド・ラウル、ブレンダン・グリーソンetc
この前のアカデミー賞で、なんとあの大傑作「レゴ(R)ムービー」を
ぶっ飛ばしノミネート入りしたアイルランドのアニメ
「Song of the Sea」がEUフィルムデーズで上映されるとの
ことなので観てきました。
東京アニメアワードフィルムフェスティバル2015で
グランプリ受賞した作品だけに満席近くに
なりましたぞ!
あらすじ
ケルト神話をベースに描く
親子の物語。
妹の出産と共に、天国に召された母親。
父親は悲しみにくれて覇気を失い、
兄は妹のせいで母親が死んだと
恨んでいる。
小さな島で暮らす
そんな壊れかけの家族を見かねた、
親戚のおばあちゃんは、
子どもたちを町で預かることにする。
島への思い入れが強い、兄弟は
謎の笛と母親から伝えられた歌を
頼りに島へ帰ろうとするのだった…
ケルト美術が綺麗!
想像以上にシリアスな話なのだが、
ケルト美術を張り巡らせた絵のタッチに
癒やされる。絵の具のようなコントラスト、
かわいらしいキャラクターと
ファンシーなんだけれど強調して言う
「めっちゃシリアスだ」。
冒頭のタイトルロールから、
いきなり絶望のどん底にたたき落とし、
「ぼくたちの家族」さながらぶっ壊れた、
家族を描写する。
そして、誘拐からの脱出。
脱出生活の道中で兄妹を待ち受ける
敵が大人でも結構ビビる。
特に、ボスキャラの部屋で
袋のネズミになった兄妹の
描写が「ゾンビ」かよと
思うぐらい怖い。
それ故に、ケルト美術がすんげー
良いアクセントになっている。
クライマックスにつれカタルシスが
強くなってくる。
なんか、コレって「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」
に近い浄化作用だなと感じた。
監督は恐らく、神話と現代が通じていることを
語りたかったのだろう。
幼少期、怖い話を聞いて便所や暗闇に臆する
ってことがよくあった。
実際にはお化けとかいないとは思うが、
怖い話や神話があることで子どもに教訓を
与え理不尽な社会に耐えられる人を作り上げる
のだろう。
つまり、この話は母親の死や
自分だけ怒られる理不尽な状況から
いかにたくましく生きるかを
教訓にしたお話だ。
絵がかわいいから、ブンブンも
もし子どもが出来たら観せたい作品やな。
アカデミー賞って…
この前のアカデミー賞長編アニメ部門では
「ベイマックス」が受賞したが、
結構むかついた。
「ベイマックス」は何も失敗せず、とんとん調子で
発明する青年が主人公だが、プログラミングや物作りを
したことのある人が観たらむかつきませんか?
んな訳ないだろー!発明家は9割失敗、失敗なくして
凄いモン作れんだろーが!と。
しかも努力する発明家である兄のおかげで、
主人公は癒着し凄い理系大学にずっととどまっている
描写が結構ひでー。
その点、中間管理職のつらさを描いた「ヒックとドラゴン2」
や赤狩り問題をメタファーにした「THE BOXTROLLS」、
新しい発想でモノを作る自由を考えさせる「レゴ(R)ムービー」
と今回、すんげー子どもに観せたいアニメが集結していたのに
あっさりと子どもに観せてはいけない「ベイマックス」が
受賞したことは嘆かわしい。
まあ、アカデミー賞は明るい話が好きだからしょうがない。
今作はポスターからは想像できぬダークファンタジー、
且つ「かぐや姫の物語」と雰囲気が被ってしまったから
しょうがない。
日本本格公開は未定のようだが、
是非とも「Song of the Sea~海の歌」公開してほしいな(*^_^*)
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