神々のたそがれ(Hard To Be A God)
監督:アレクセイ・ゲルマン
出演:レオニヤド・ヤルモルニク、アレクサンドル・チュトゥコetc
いつの間にか上映から時間が経っており、
ユーロスペースで5/9(水・祝)までと
リミットが迫っている3時間のロシア映画
「神々のたそがれ」を観てきました!!
原作は、あのタルコフスキーの傑作「ストーカー」の
原作者ストルガツキーの「神様はつらい」です。
でも、この映画、まじめに神様どころじゃないw
観客もつらい作品でしたww
ドM精神を持っていないとかなり厳しい映画と
言えよう。
ヤバい点1:とにかく汚い
普通、どんな映画も白黒にしたらそれなりに
格好良くなるじゃない。
あの「ムカデ人間2
」だって、幻想的で
アーティスティックと思うシーンが
あったさ。しかし、これは「汚い」としか言い様がない。
3時間にわたり、糞尿、泥、ゴミみたいな人々を
永遠に魅せられるのだw「時計じかけのオレンジ」の
彼も洗脳出来るほどの嫌悪感だ。
今まで、ブンブンは「追憶のざわめき
」「ブレインデッド
」
と言ったゲテモノ映画をさんざん観てきたが、
これに勝るものはなかろう。
15年の歳月をかけてこんなのを作ったとは、
俳優も監督も凄いとしかいいようがない。
ヤバい点2:ストーリー
次に、想像通りであろう。ストーリー。
各映画サイトを通じて予習して観たものの、
全くストーリーを追えないのだ。
なんたって、地球からやってきた刺客は
光線銃や宇宙船なんてものを持っていない。
伊能忠敬かと思わせる、測量具を持った
男たちが地球人なんだ!
しかも移動も馬だから、SFというよりかは
ロシアン時代劇だね~
そして、トマス・ピンチョンもびっくり!
出オチのキャラがやたらと多く、
誰がどこの組織の人かがわからなくなる。
しかも、意外な人が伏線として後半に
出現したりするから困ったもんだ。
観終わった後も、こんなストーリーだったっけ?
と思うのだが、一応ストーリーこんな感じだ。
地球より800年も遅れた惑星に、30人の学者が送り込まれる。
そこのアルカナルでは、知識人が商人に迫害されており、
知識人は隣国イルカンに亡命していた。
そんな中、一人の地球人ドン・ルマータは惑星の人から
神として崇められるようになるが政治介入は地球側から
禁止されており、ドン・ルマータは欲と葛藤の渦に飲み込まれて
いくのだった…
ヤバい点3:中毒性がある
こんな、ちょー辛いドM向け映画なんだけれど…
観終わってからずっと反芻、考えちゃうんだよね~
夢中になっちゃうんだよね~
ドン・ルマータの横暴でむかつくような態度、
それは政治介入出来ないから、現地人を軽くあしらう
ことしかできなっかったからなのか?
アルカナルでは中期ルネッサンス期を迎えているようだが、
全然反映しているように見えない。
それは、この惑星には強大な宗教も芸術もありゃしない
からなのか?とか一日中ずっと考えてしまう。
カメラワークが、「世界ふれあい街歩き」
っぽいのも手伝って、
3時間汚い世界をフィールドワークした気持ちになり、
カルチャーショックにもなった。
正直観る人を選ぶが、一生に一度は、
あるいは海外ボランティアに参加する前に
観た方が言い映画と言えよう。
「神々のたそがれ」予告編
ユーロスペースのレベルの高さ
現在、ユーロスペースでは
当ブログでも紹介した
全編手話映画「ザ・トライブ」絶賛上映中。
また、5/1(金)からは
ペ・ドゥナのゆりゆり演技が楽しめる「私の少女」
が上映されます。
どれも強烈な作品なので是非GW足を運んでみては
いかがでしょうか?
関連項目
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