“Ç”ピンチョンのドラッグ・ヒッピー・ワールド・ミステリー「インヒアレント・ヴァイス」

悲報:都内公開2館PTA新作「インヒアレント・ヴァイス」

インヒアレントヴァイス

文学好きなら一度は聞いたことある伝説の
ノーベル賞候補作家トマス・ピンチョン。

世界三大映画祭を制した鬼才
ポール・トーマス・アンダーソンが、
マスコミの前に出たがらない彼と
まさかの意気投合、
ピンチョン小説映画化
プロジェクトを立ち上げた!

その第一作目が、今回紹介する
「インヒアレント・ヴァイス」!!!

ヒッピー探偵がドラッグによる
覚醒したシックスセンスで、
敵を見つけ出し、大富豪を守る
という内容。

予告編を観ると、確かにマニアック
過ぎる内容で都内では残念ながら
ヒューマントラストシネマ渋谷
ユナイテッドシネマ豊洲でしか
上映してない。あのシャンテですら上映してない
哀しい状況だ…

ってことで、ヒューマントラストシネマ渋谷へ

インヒアレントヴァイス

インヒアレントヴァイス

やってきました、ヒューマントラストシネマ渋谷!
ココは、かなりマニアックな作品が集まるところで、
今は他に「JIMI:栄光への軌跡


KITE/カイト

」を上映中!

さて本題に戻ると、チケット販売所の後ろに
「インヒアレント・ヴァイス」の海外版ポスター
がずら~~~りと並んでいます。
インヒアレントヴァイス

ブンブンはデルトロ版がお気に入りだ。

劇場はやたらとチチカカ臭、
ってかワイルドな薫り漂い
異様な雰囲気をはなっていました。
そんな劇場で観た
「インヒアレント・ヴァイス」
を解説するど~

インヒアレント・ヴァイス(INHERENT VICE)

インヒアレントヴァイス

監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ホアキン・フェニックス、ジョシュ・ブローリン、
オーウェン・ウィルソン、リース・ウィザースプーンetc

…感動した!
何で、アカデミー賞脚色賞を
獲れなかったんだろうと思うほど、
脚本の組み方が洗練されている。
あまりにも多すぎるってか、
ほとんど会話でしか
出てこない人物も
重要だったりする本作。
しかも物語の大半が、
ヒッピー時代の
サブカルトーク、
豊富な語彙と言い回し、
ドラッグの使い分けで
変わる感情変化
という「重力の虹」よりは
まだマシなものの
映画化しにくいってか
絶対儲からないだろう
という内容を完璧に
映像化しているところが凄すぎだ。

そして、普通の監督が映画化したら
ただのB級、C級ミステリーに
なるところを
徹底して1970年頃のカルチャーを
フィルムから再現している。

まず、映像は前作
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」同様
35mm撮影。
「パララックス・ビュー」みたいな
雰囲気を醸し出している。

一応、コメディ!

ノーベル賞候補になる作家の作品の
映画化だけに堅い印象を受けるが、
これは断言しよう。「コメディ」だ!

とにかく、ドラッグに目がなく、政治なんて
どうでもいいぜと考えているような
探偵。こいつ、本当にやる気あるの
と思うほど、テキトーにほっつき歩き
危険に立ち向かう。

そんな彼の犬猿の仲にして相棒の
ビッグフット警部補は
まさかのチョコバナナ中毒者。
見栄っ張りだから、
日本食レストラン(?)では
日本語で注文するのだが、
「キイチローモットパヌケク!(
パンフレットによると脚本にも
Motto Pannukeikuと書いてある)」
と日本人に全く通じない日本語を
語る雑さ。

ホントーにサイコーである。
残念ながら、ブンブンお気に入りの
探偵がシャーロックホームズを
実在の人物と勘違いするギャグ、
「ローマの休日」と日本の怪獣映画を
同じと飛ばすギャグはないものの、
原作にある多くの言葉遊びや
ギャグを網羅しており大満足である。

巧みな脚色・編集術

原作では探偵さんがいきなり
閃いたり、様々な登場人物が
全速力で駆け抜け、
視覚的工夫をしないと
記憶が追いつかない。

その問題を解決するために、
多重露光、2~3つの映像を重ねる
ことで謎解きのヒント、
フラッシュバック効果を狙っている。
このテクニックのおかげで、
原作読んでよくわからないトリックも
わかってきたぞ!
とは言え、感覚的過ぎて結局
ミステリー感ゼロなんだけれど。

パンフ購入

インヒアレント・ヴァイス

このようにテンション上げ上げ、
次回作への期待高まるブンブン。
珍しく、パンフレットを購入しました。
1000円と割高だが、洋書スタイルの
デザインとコンテンツの多さに
感動しました。

ただ、これは「バードマン」以上に
友達にすすめるには厳しい作品。
もし、友達がピンチョンのファンで
「LAヴァイス(実は原作の邦題はコレ)」
を読んでいるのなら、胸を張って
オススメする。ってかPTAかピンチョン
作品好き以外にはオススメできない
劇薬と言えよう。
「インヒアレント・ヴァイス」予告編

「インヒアレント・ヴァイス」サイト


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