チェコアニメーションと言えば?
チェコ映画…映画オタクがぱっと浮かべるのは
ヤン・シュヴァンクマイエルだったり、
イジー・バルタと思われる。
所謂、ディズニーやジブリ映画とは明らかに違うのが
チェコアニメーション。
実写とアニメを融合、チェコのちょっとボロい町並み感を
映画の中にぶち込み、ブラックユーモアで練り込まれた
ストーリーは映画オタクを虜にする独特なタッチで
はまる人は嵌まります。
ブンブンも、ヤン・シュヴァンクマイエルの「ファウスト」
を観て一気に嵌まり、実際にチェコの
「Film Special Effects MUSEUM」に行って
チェコの特撮技術を学ぼうとしました。
…しかし、その博物館、チェコ映画史の巨匠
カレル・ゼマン博物館と言って良いほど、
彼の作品解説しかありませんでした(^^;)
しかし、興味深い中身に惹かれ、
今回、プラハで購入した
彼監督作「悪魔の発明」を観ることにしたぞ!
悪魔の発明(VYNALEZ ZKAZY)
監督:カレル・ゼマン
出演:ルボル・トコシュ、ミロスラフ・ホロップetc
あのジョルジュ・メリエスが映画化した
「月世界旅行」の原作者ジュール・ヴェルヌ
の同名小説の映画化。
「月世界旅行」の映画化から55年経った1957年に
作られていることから明らかにカレル・ゼマンが
「月世界旅行」への挑戦をしている作品だ。
いや、CGがない時代とはいっても
サイレント映画時代を思わせる級の古さを感じられる。
古書の挿絵のような荒々しいでも直線的な絵で
作られた世界に、申し訳なさげに人が立っている。
あっこれは「月世界旅行」のセットじゃん!
ただ、あれは「絵」は絵として、「人」は人として
動いているのだが、「悪魔の発明」は
人や絵が垣根なく動き回る。
アメリカも確かに1945年に「トムとジェリー」の
ジェリーとジーン・ケリーを同時に踊らせる
「錨を上げて」を作っているが、
ここまで「絵」と「人」が同化している
なんてしてなかったぞ。
遠近感が凄い
「悪魔の発明」はセットの大きさを調整するためか、
遠近法を多用されている。
例えば、潜水艦の内部は奥行きを
作り出す絵で潜水艦の全長を誤魔化している。
ストーリーは?
原爆並に強力な爆弾を発明した男が
原爆争奪戦に巻き込まれるサスペンス。
前半の展開が早すぎて10分で、
何故発明家が幽閉されたのかがわかりにくかった。
そして、後半の展開がちょっと冗長に感じた。
でも、傑作
いや、ストーリーの落ち度はここまで
洗練された映像美を見せられたら
どうでも良くなる。
映像を撮ったことのある人は
魅了されること間違いナシの作品でした。
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