“Ç”ゴダールの動く絵画「さらば、愛の言葉よ」キャメロンびっくり3D革命

IMG_0954-0.JPG

Adieu au langage

監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:カメル・アブデリ,ゴダールの愛犬etc

昨年ねカンヌ映画祭で、
若き鬼才グザヴィエドランと共に
審査員賞を獲ったフランス
映画界の巨匠ゴダールの
新作を映画館でようやく観たぜ。

実はフランスでは、
留学中既に上映終了。
しかも、この作品は
3Dがウリな為、
DVDで2D鑑賞は
タブーなのだ。

東京だと、シネスイッチ銀座
しかやっていないのだが、
ようやく観ることが
できました^o^

学生でも1900円は高いな〜
しかも、上映時間70分未満
だぞ(汗

しかし…ゴダール最高傑作
と思う程すんげー映画だ^o^

3Dと言えば…

3D映像と言えば、
昔は遊園地のアトラクションで
ショボい赤青メガネを付けて
観るものだった。

映画館で導入されるとしても、
遊園地みたいな感じだったのが、
「アバター」でマジもんの3D
映画を作り始めたことから、
技術革新が著しく進み、
今では字幕を入れても
不自然にならないくらいまで
発展させた。

しかし、ゴダールは
技術革新に刃向かう如く
「見辛い3D映像を魅せつける」

遠近感狂わせる、至近距離と
長距離の映像を交互にぶち込む。
一つの映像の遠近感がおかしい。
チカチカ色を変える演出。
目が痛くなりそうである。

しかし、普通の監督が
やったら総スカン必至の
作り方なのだが、「ゴダール」
というブランドを作った
ことで、この奇怪な映像に
のめり込む。

台詞はほとんど意味があるのか
ないのかわからない難解さ、
しかし稀に「さらば=adieu」
と「ああ、神よ=ah, Dieu」
掛けたり、アダムとイヴの
話に見せかけてトイレで
語り合うシーンを入れたりと
ヒントが多いから段々
テンションが上がってくる。

なんか、「動く絵画」に
とんでもないスキャンダルや
謎が隠されている気がしてくる。

結局、何がしたいのか?

恐らく、この作品はゴダール
映画を観ている前提で挑まないと
しっくり来ないと思う。

私が思うに、これはゴダールの
新たな挑戦である。
彼は「勝手にしやがれ」や
「はなればなれに」の頃から、
大衆映画へ反抗し続けていた。

銃を撃たれたのに死なない男、
車が無数に横たわるシーンに
理由をつけないetc

そして、こういった反抗で
映画表現の枠を拡張していった。

「さらば、愛の言葉よ」では、
近年の「愛の世紀」
「ゴダール・ソシアリスム」
の「動く絵画」の領域拡張を
極め、遂に「観る者」までも
否定した。

「実は今見ているものが
本当に見えているのか
試そうじゃないか!」

こんな観客に喧嘩を売っとき
ながら、カイエ・ドゥ・シネマ
ベストテンに選出までされている
この映画はスゲーと思った。

2010年代を代表とする
カルト映画になるだろう。
「さらば、愛の言葉よ」予告編

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です