監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:トニ・セルヴィッロ、
カルロ・ヴェルドーネetc
今日は、今年度アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「グレート・ビューティ/追憶のローマ」を観たぜ!
予告編を観ると明らかにフェリーニの「8 1/2」「甘い生活」「ローマ」を意識していて、めっちゃかっこいい映像が続く。
そして、難解なイメージがあった。
実際にBunkamura ル・シネマに行ったら、老人だらけ(最終的に満席になった)だったので心配だったのだが、これが面白い。
ローマにあるコロッセオやサンタンジェロ橋を長回しで舐めるように撮る美しさ、ディスコシーンの音楽に魅せられた。
そして監督はフェリーニ映画へのオマージュに隠れて、プルーストの「失われた時を求めて」をやりおっていたのだ。
この小説、フランス文学をかじった人なら分かるちょーーー長い小説だ。
出版社によっては10巻を超える叙事詩、かつ哲学書なのだ。
でも、安心を、日本には幸運なことに漫画版があり、これを読むと面白さがわかるのだ。うちは漫画版を読んで小説版5巻まで行って挫折なり~_~;
さて、本題に戻ろう。
確かに、冒頭から「甘い生活」を意識したCUTから入る。しかし、この映画最初の会話らしい会話がプルーストの舞台の話から入る。そして、中盤に謎の青年が主人公にプルーストの格言を言い放ち、何かを伝えようとしている。
さらには、やたらと絵画や建築を紹介したり貴族の没落描写が「失われた時を求めて」そっくりなのだ。
そう考えると、夢と現実、過去と今が錯綜するこの話も簡単だ。
青年時代の純粋な恋に敗れた男が貴族になる。貴族生活は派手だが虚無に満ち溢れ、情熱的な愛がない。主人公は情熱を求めて足掻くが、退廃から脱せず人生のはかなさを知る。
こんな話だ。
ってことで、凄まじい映像と音楽を楽しめる映画だが、「失われた時を求めて」を読んでから挑むとまた新たな感動が得られる作品でした。
予告編↓
https://m.youtube.com/watch?v=oCXzO941YFw
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