ドキュメンタリー

2021映画

『ヴィクトリア(2020)』沙漠を彷徨う魂は生を岩に刻んだ

イメージフォーラムで上映されているサニーフィルムドキュメンタリー映画2作品。『クレストーン』に引き続き、『ヴィクトリア』を観賞しました。本作は第70回ベルリン国際映画祭でカリガリ賞を受賞している。カリガリ賞といえば、春先に公開された『ハイゼ家 百年』(こちらもサニーフィルム配給)やチリの壮絶なストップモーションアニメーション『THE WOLF HOUSE』、7時間半の伝説的白黒映画『サタンタンゴ』などが受賞している。日本からも園子温監督の『愛のむきだし』が受賞している。ラインナップを見ると分かるとおり変わった映画が受賞していることが多い。そして『ヴィクトリア』も例に漏れず変わった映画であった。

2021映画

【CPH:DOX】『Tina』A Fool in Love

ティナ・ターナーといえば、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「プラウド・メアリー」のカバーが有名であろう。囁くような語りから始まり、波のようにバックコーラス、時に観客とRollingを連呼していく。そして、ある一定のラインで爆発し、疾風怒濤観客を波に飲み込んでいくパワフルな演出はインパクト大。あのグッチ裕三も教育番組ハッチポッチステーションにて「どんぐりころころ」の替え歌として本曲を選ぶほどの名曲であります(子ども向け番組でやる内容ではない)。映画ファン目線からすると、『Tommy/トミー』でロジャー・ダルトリー演じる聴覚/視覚を失った男をヤク漬けにするAcid Queen役や『マッドマックス/サンダードーム』の女支配者アウンティ・エンティティ役で知られている。

2021映画

【Netflix】『AIに潜む偏見: 人工知能における公平とは』複製された偏見

MITメディア・ラボで学ぶジョイ・ブオラムウィーニはSFから着想を得て作品制作を行う課題に顔認証技術を採用する。しかし、黒人である彼女の顔は中々認識してくれない。調査をする中で、女性よりも男性、有色人種よりも白人の方がAIは認識しやすい事実に辿り着く。肌の色が違うぐらいなら物理法則に当てはめれば容易に認識してくれそうなものなのにどうしたことか?ここから彼女の探求の旅は始まる。その中で様々な研究者がAIに潜む偏見の存在に気づきはじめていることを知る。AIは膨大な情報を解析するだけだ。その情報が誤っていれば、誤った結果が出力される。これは意図しないところで起きたりするのだ。