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【Netflix】ナイジェリア映画「GONE TOO FAR!」が大大大傑作だった件

【Netflix】ナイジェリア映画「GONE TOO FAR!」が大大大傑作だった件

GONE TOO FAR!(2013)


監督:Destiny Ekaragha
出演:Malachi Kirby,
Shanika Warren-Markland,Tosin Cole etc

評価:85点

NetflixはVOD戦争といわれるこのご時世で独特な配信をしている。というのも、一般的なハリウッド大作やシネフィルが如何にも好きそうなヨーロッパだけではなく、インド(それもダンスがない作品)やトルコ、イスラエルにブラジルといった普段注目されない国の映画も配信しているのです。その中でも、最近目を惹くのはナイジェリア映画。ナリウッドです。アフリカ映画の中では、南アフリカ共和国に迫る勢いで今イケイケドンドンな映画国ナイジェリアの映画が手軽に観られると聞いてブンブン飛びつきました。

今回観たのは、イギリスと合作の「GONE TOO FAR!」。直訳すると「やり過ぎ」。何をやり過ぎたのでしょうか?

「GONE TOO FAR!」あらすじ

ナイジェリアからイギリスに移り住んでいる一家の物語。ある日、ナイジェリアから兄がやってくる。ナイジェリア訛りの英語を話す兄に抵抗感を抱く弟と軋轢が生じ…

異境に住む外国人から見える差別

本作は日本人も他人事ではない、差別問題をコミカルにかつ深く描いている。主人公は、ナイジェリア人だが、幼い頃からずっとイギリスにいるのでナイジェリアの言葉であるヨルバ語は話せない。それ故かヨルバ語を話す母や兄を嫌がる。これって在日朝鮮人、中国人の子どもにもよく見られる光景です。

在日韓国人の李良枝が芥川賞を受賞した小説「由熙」では、韓国人にも日本人にもなれない主人公の苦悩が描かれていた。実際に上野に住んでいると、レストランとかで親同士の会話は中国語、子どもとの会話は日本語という家族をよく見る。そして、国際文化学部時代にもよくそのような環境で育った人と出会う。彼らを通じて言えるのは、差別とアイデンティティに相当なコンプレックスを抱えている人が多いとのこと。やはり、親の差別意識が反映される小学校・中学校時代にはイジメを受けている人も多かったとのこと。

それを受けて本作を観ると、根深いコンプレックスの闇を観ることができる。主人公を始め本作に登場するジャマイカ人や他の黒人は、皆移民であるにも関わらず互いの人種を見下し合う。同じ黒人でも、出身によって侮蔑する。まさにタイトル通り「行き過ぎて」いる。本来の故郷を知らず、かといって現在の居場所にも違和感がある。アイデンティティの保ち方が分からないからこそ差別に走ってしまう。

拍子抜けするギャグシーンが多いにもかかわらず、重くブンブンの心にのしかかる。全編コメディなのに、どこまで深く移民の差別意識、コンプレックスを掘り下げるのかと思うほど凄まじい洞察力を魅せていた。まさに「ドゥ・ザ・ライト・シング」を観た時のような面白さと深いテーマがそこにはありました。

現在Netflixで配信中なので、是非挑戦してほしい一本ですぞ!

ブロトピ:映画ブログ更新

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