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“Ç”実はホラーではない(?)「サスペリア」

“Ç”実はホラーではない(?)「サスペリア」

サスペリア(SUSPERIA)

監督:ダリオ・アルジェント
出演:ジェシカ・ハーパー、アリダ・ヴァリetc

ゴブリンの旋律、独特な色彩で公開当時
社会現象になった「サスペリア」を観ました。
「サスペリア2」が続編じゃないと、
ゴブリンの音楽が凄いと話題になる要素
多いが、何よりブンブンが驚いたのが、
日本公開当時「決して、ひとりでは見ないでください」
というキャッチコピーも助け、
ホラー映画の傑作と言われているがホラー映画に
に見えなかったこと。
むしろコメディーに見えたことだった。
そして、さらに注視して観ると、
ヒッチコック映画のようでした。

ホラー<ヒッチコック型サスペンス

 確かに、ゴブリンの放つ独特なスコア、
中川信夫監督作「東海道四谷怪談」さながらの強烈な赤、
青といった色彩、何者かが驚かすシーン等、ホラー映画要素はある。
しかし、よく見るとこれはミステリー、あるいはスリラーである。

ホラー映画として、大概の作品において
「主人公が殺されそうになる」描写が物語の1/3で発生、
死亡せずとも、怪我を負うシーンがある。
しかし「サスペリア」では、主人公以外の人物が殺害されているだけであり、
主人公はその殺害の謎を追うポジションについているのである。

ラストシーンで実際に殺人を犯しているかどうかはわからないが
「犯人」にあたる人物を突き止めた時に、
初めて「死の恐怖」を描いている。
それまでは、周りの人に流れるまま巻き込まれ謎解きを渋々する。
つまり、ミステリー映画の描き方をしているのだ。

アルジェント映画はヒッチコックの影響を受ける

そして、ダリオ・アルジェント監督は一貫して
ヒッチコックスタイルのミステリーないし
スリラーを制作していたことも裏付けとなる。

ヒッチコックスタイルのミステリーとは、
謎解きをしているようでしていない、
重要なモノを追いかけているのに結局そのモノが何かが分からない、
最初から犯人が分かっているという
「謎を解いているように見せかけて、真相まで解かないミステリー」である。

例えば、「北北西に進路を取れ」では、
ある国家秘密を巡って主人公が争奪戦に巻き込まれるが、
ラストまでその国家秘密が何なのかが明かされない。
ある謎に観客ごと巻き込んでいく、
そして事件に巻き込まれる様子を楽しむよう作られているのだ。

アルジェントがオリジナリティを出しまくった結果

サスペリア
アルジェントは、デビュー作「歓びの毒牙」「わたしは目撃者」等で
ヒッチコックお得意巻き込まれ型サスペンス、
前者では自動扉の隙間に閉じ込められた男が殺人を目撃。
後者は盲目の元新聞記者が殺人事件に巻き込まれる作品を発表している。
これらアルジェント初期の作品はヒッチコック映画を
引きずっておりオリジナリティに少し欠けるのだが、
「サスペリア」ではヒッチコック映画にはない強烈な色使い、
オカルト感を盛り込んだ。結局、
主人公が殺した「マルコス」が本当に物語前半で
起きた殺人の犯人なのか?

結局、舞台であるバレエ学が裏で何をやっているのか分からない。
しかし、その訳のわからなさが観客を物語に引き込み、
映画を面白くしているのであろう。
そして、ヒッチコック映画では味わえない強烈な
色彩による恐怖の演出でアルジェントは
オリジナリティを追求した故に後生に名作として語り継がれていると言えよう。
「サスペリア」予告編

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