『水俣曼荼羅』面従腹背の「お察し申し上げます」
第21回東京フィルメックスにて上映された原一男最新作『水俣曼荼羅』が2021年11月27日より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開される。3部構成上映時間372分の力作である本作を風狂映画舎さんのご好意で一足先に拝見しました。
第21回東京フィルメックスにて上映された原一男最新作『水俣曼荼羅』が2021年11月27日より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開される。3部構成上映時間372分の力作である本作を風狂映画舎さんのご好意で一足先に拝見しました。
第70回ベルリン国際映画祭に出品されて話題となったジョニー・デップ主演の水俣病を扱った映画『MINAMATAーミナマター』が日本でも公開された。水俣病といえば、四大公害病の一つとして学校で習ったこともあるでしょう。土本典昭のドキュメンタリーに触れると解像度が少し上がり、長期に渡る闘いによって被害者たちの間にも分断が生まれてしまっていることに気づかされる。さて、そんな複雑な状況を海外からの目線で果たして上手く描けるのだろうか?不安を抱えながら映画館に行きました。
9月、10月は個人的に不安しかない作品が2本控えている。1本目はフランスのアルチュール・アラリ監督が小野田寛郎を描いた伝記超大作『ONODA 一万夜を越えて』。もう一本はこれまた海外の監督アンドルー・レヴィタスが水俣病を扱った『MINAMATA―ミナマタ―』である。どちらもセンシティブなテーマであり、日本の監督ですら上手く事象を捉えつつ映画の文法に翻訳できるか難しいところがある。特に『MINAMATA―ミナマタ―』は時代考証の一部を真田広之が行ったと耳にしているだけに余計に心配だ。そんな本作を観る前に予習しようと土本典昭監督作『水俣一揆-一生を問う人々-』を観ました。