【OAFF2021】『いとみち』メイドと三味線の不思議なマリアージュ
本作はヒロインいとが全編津軽弁で話す関係で、日本映画でありながら何を話しているのかが非常に分かりにくい作品となっている。大阪アジアン映画祭では英語字幕がついていたものの、劇場公開時では字幕はつかないと思われるので、語尾をはっきりと語らない、いとの意図を汲み取ることが重要になってくる。本作は、津軽弁にコンプレックスを持つ少女がバーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションの狭間で折衷を図りアイデンティティを確立して行くまでを描いている。ポスタービジュアルから、よくある町興しものかと思うかもしれませんが、テーマに対する鋭い視線が感じられる。