トム・ハーディ

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『カポネ』黄昏のスカーフェイス

アル・カポネといえば、禁酒法時代に酒、売春、賭博で一大組織を作り上げた犯罪王だ。そんなアル・カポネの映画ときいたら、熱いドラマをイメージするだろう。しかしながら、『カポネ』ではひたすら情けないアル•カポネしか描かれていない。歴史に名を刻む人物であっても、情けない引き際はあると語ると同時に、本作ではジョシュ・トランクの陰鬱な精神状態が世界を侵食している。アル・カポネの話なのに、『バートン・フィンク』の世界に紛れ込んだジョシュ・トランク自身が見えてしまっている狂った映画なのだ。