『花緑青が明ける日に』イメージに取り残された情緒

花緑青が明ける日に(2026)

監督:四宮義俊
出演:萩原利久、古川琴音、入野自由、岡部たかしetc

評価:30点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

長編デビュー作ながら第76回ベルリン国際映画祭に出品された『花緑青が明ける日に』。芸術貢献賞狙いのような作品だったが、SCREENDAILYの評価は悪く『Yo (Love Is a Rebellious Bird)』に座を譲ることとなった。

『花緑青が明ける日に』あらすじ

日本画家としての活動を軸にジャンルを超えてさまざまな創作活動を行ってきた四宮義俊が長編初監督・脚本を手がけ、フランスの気鋭スタジオ「Miyu Productions」との日仏共同製作で制作したアニメーション映画。

森の中にある創業330年の老舗花火工場・帯刀煙火店は、町の再開発で立ち退きを迫られていた。そこで育った帯刀敬太郎は工場に4年間立てこもり、失踪した父・榮太郎に代わって幻の花火と呼ばれる「シュハリ」を完成させようと奮闘している。一方、敬太郎の幼なじみである式森カオルは、過去の事件をきっかけに地元を離れ東京で暮らしていた。市役所に勤める敬太郎の兄・千太郎から連絡を受けたカオルは、帯刀煙火店の立ち退きが翌日に迫った夏の終わりの日に帯刀家を訪れ、4年ぶりに敬太郎と再会を果たす。彼らは戻らない時間と失われた絆を取り戻すようにぶつかりあいながら、幻の花火の秘密に迫るべく驚きの計画を立てる。その鍵を握るのは、美しい青色の顔料「花緑青」だった。

俳優の萩原利久と古川琴音が敬太郎役とカオル役でアニメ声優にそれぞれ初挑戦し、声優の入野自由が敬太郎の兄・千太郎役、俳優の岡部たかしが父・榮太郎役で声の出演。2026年・第78回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品された。

映画.comより引用

イメージに取り残された情緒

実際に観るとベルリン絡みでは『哀しみのベラドンナ』に近いイメージ先行型の作品となっており、かといって前衛に振り切れてない中途半端さが残る一本であった。

太陽光パネル事業により立ち退きを迫られた花火職人の家。引きこもりの男は花火を探求していた。仲間が集まり、取り壊しのXデーに一発ぶちかまそうとする。

本作は《絵》ありきの作品となっており、3人がXデーに向けて過去/現在を繋ぐ感情が説明不足なまま、ひたすら情緒不安定に議論している。これは行間と呼ぶには説明していたりするので単純に中途半端な心理描写で観客を振り回しているほかない。では《絵》が良いのか?と訊かれたら、海外の映画祭に出るジャパニメーションの域を出ず、キレいさが揺蕩うのみである。唯一、実写ストップモーションアニメを織り交ぜたような場面もあるが、必然性を感じられない泥酔シーンでの演出に留まっていたので、「はい、凄いですね」以上のものは出なかった。

よって技術のひけらかしでしかない酷い映画といった評価となった。