Die My Love(2024)
監督:リン・ラムジー
出演:ジェニファー・ローレンス、ロバート・パティンソン、ラキース・スタンフィールドetc
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第78回カンヌ国際映画祭に出品され批評家評判は良かったものの無冠に終わった『Die My Love』がMUBIで配信されたので観た。2025年のカンヌ国際映画祭はかなりの激戦区であり、確かに他の年であれば受賞していたのかもしれないなと思うほどにパワフルな作品であった。
『Die My Love』あらすじ
Grace, a writer and young mother, is slowly slipping into madness. Locked away in an old house in and around Montana, we see her acting increasingly agitated and erratic, leaving her companion, Jackson, increasingly worried and helpless.
訳:作家であり若い母親でもあるグレースは、徐々に狂気に陥っていく。モンタナ州とその近郊にある古い家に閉じ込められた彼女は、次第に興奮し、常軌を逸した行動をとるようになり、同伴者のジャクソンはますます不安と無力感に苛まれていく。
躁鬱の曖昧な世界
リン・ラムジー監督は、心の中に潜む暴力性がぬるっと現実に影響を及ぼすイメージが強く今敏のアニメシリーズ「妄想代理人」に近い手触りを感じる。『Die My Love』はより今敏に近いテイストとなっている。
まずカップルが廃屋となった新居に現れるところから始まる。カメラは室内から外に向けられており、カップルが玄関に立つが、何故か回り込むようにしてカメラの後ろから空間に侵入する。そして、突然CG感強めな森が燃えているイメージの中タイトルが表示される。これにより虚実がシームレスに暴力的に交わる映画である印が刻まれる。
恋人のグレースは新居で赤子を授かるのだが、パートナーのジャクソンが仕事で家を空けることとなる。彼女は産後鬱となり、気分の起伏が激しくなる。映画はグレースの躁鬱な様子を表象していく。ポップな音楽が流れたかと思うとナイフを持って子どもに歩み寄る。彼女の感情の隆起に合わせて映画の質感が極端に変化していくのである。全く先の読めない運動、そして虚実が曖昧となり家族の平穏が宙吊りとなっていく様子を通じて人間心理に迫っていくのである。
『少年は残酷な弓を射る』において音と間の使い方が恐ろしく恐怖したわけだが、今回も健在であった。











