【中央アジア今昔映画祭】『苦い果実』ガラスを通して違って見える世界

苦い果実(1975)
Gorkaya yagoda

監督:カマラ・カマロワ
出演:シャヒダ・ガフロワ、シャフナズ・ブルハノワ、ベクゾド・ハムラエフ、ババ・アンナノフ、アントニーナ・ルスタモワetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

2025年も師走ですが、映画祭はギリギリまで行われている。ユーロスペースにて中央アジア今昔映画祭が開催されている。今回で3回目となる本祭はウズベキスタンに着目しており、『UFO少年アブドラジャン』などのウズベキスタン映画が観られる。仕事がオフだったので『苦い果実』を観た。牧歌的な作品でありながら尖った演出がある一本であった。

『苦い果実』あらすじ

13歳のナルギズはバレエや読書が好きな少女で、不良少年のエルキンに惹かれている。エルキンは夢見がちなナルギズをバカにするが、内心では彼女に好意を持っている。夏休みに祖母の元へやってきたラリはナルギズの親友だが、ナルギズとエルキンが親しくなっていくにつれ、ラリとナルギズの関係も変化していく。

※中央アジア今昔映画祭より引用

ガラスを通して違って見える世界

少女がガラス越しに世界を見る。どこか夢見がちな彼女は半裸の不良少年エルキンに惹かれる。だが、エルキンはナルキズに嫌がらせをする。内容自体は思春期特有の、間合いがわからず悪戯、嫌がらせによって関係を繋ぎとめようとする様を描いたものとなっている。広大な大地の解放感が時としてひりついた心理的隔たりに化けたりするなど空間の使い方に長けているイメージはあったものの、催眠的な映画でありそこまで乗れなかった。