ピーク・エヴリシング(2025)
Amour apocalypse
監督:アンヌ・エモン
出演:パトリック・イヴォン、パイパー・ペラーボ、ジル・ルノー、エリザベス・マゲレン、エリック・K・ブリアンヌetc
評価:50点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
カンヌ監督週間 in Tokio 2025にて『ピーク・エヴリシング』を観た。変な映画だと事前に聞いていたが、想像以上のものであった。
『ピーク・エヴリシング』あらすじ
モントリオールでペットホテルを営む48歳の独身男性アダムは、環境破壊の進行による終末を恐れ、不安に苛まされている。オンラインで購入した癒しグッズのカスタマーサービスを心の相談窓口と勘違いして電話してみると、応対した女性に恋してしまう!孤独で不安なアダムの世界は、自然災害を経て不思議な迫力に満ちていく。世界が終わる前に愛を知りたい男性が疾走するアポカリプス・ラブ・ストーリー。
※カンヌ監督週間 in Tokio 2025より引用
中年おじの不安、アポカリプスと大衝突
本作は実存の危機に陥っている40代中年おじが不安に苛まれスピリチュアルグッズを購入するところから始まる。カスタマーセンターに「人生相談窓口」だと勘違いして電話したことから、オペレーターの女性と親密な関係になるが、ある時電話中に異変を感じる。勢いに任せて現場に急行すると、そこは地震の被害に遭っていて、避難を余儀なくされる。スペクタクル的な冒険に中年おじは恋と青春を感じていく。
醜悪なケアを求める中年おじの気持ち悪すぎる行動とアポカリプスが衝突し、吊り橋効果が女性をケアの対象へと近づけていく。彼は『ボーはおそれている』のホアキン・フェニックスのように不安に苛まれ妄想気味で自他の境界線が曖昧となっているのだが、ホアキン・フェニックスよりかはクセが少ないのでより生々しい中年おじ像を醸造しており嫌悪感を抱く。
故に映画自体には全く乗れなかったのだが、サントラの挿入のセンスや地繋がりにアポカリプスがそこにある感じの異様さなど演出は尖っており、アンヌ・エモン監督の今後には期待である。












