パーフェクト・ネイバー: 正当防衛法はどこへ向かうのか(2025)
The Perfect Neighbor
監督:Geeta Gandbhir
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
来年のアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされそうなのでNetflixで『パーフェクト・ネイバー:正当防衛法はどこに向かうのか』を観た。Netflixは相変わらずドキュメンタリー映画は安定して面白い。
本作は閑静なアメリカのサバービアで起きた隣人トラブル起因の死亡事件を警察のボディカメラから振り返る内容となっている。とあるサバービアでは頻繁に警察が呼ばれる。原因は《隣人トラブル》である。
『パーフェクト・ネイバー: 正当防衛法はどこへ向かうのか』あらすじ
長きにわたる近隣トラブルがやがて命を奪う暴力事件へと発展してしまう。その様子を警察のボディカメラ映像で追跡しながら、恐怖や偏見、正当防衛法を掘り下げていくドキュメンタリー作品。
事後判断の難しさについて
白人女性が近所で遊んでいる黒人の子どもたちがうるさいと喚いている。黒人サイドは常識の範囲で公共の場で散歩をしたり遊んでいるのに異常なレベルで喚くこの白人女性に辟易している。
映画は頻繁に発生するこの隣人トラブルの事情聴取を追う。その中で、この白人女性が精神病を患っており、それによる妄想が騒動を大きくしているのではないかと思えてくる。たとえば、彼女はトラックで門を破壊する。事情聴取する際に平然と黙秘を選択するのだが、不利になると「レイプされていた時の混乱を思い出して」といったことを証言し始める。警察としては決定的瞬間を捉えていないし、医者でもないから手続きをするのみで双方に進展はなく、遂に殺傷事件が起きる。
日本では昨年『どうすればよかったか?』が公開されて話題となったが、それに近いどうしようもなさ、法の脆弱性を突き付けられる。恐らくこの白人女性は過去のレイプによるトラウマで人間不信になっている。薬は飲んでいるようだがちゃんとした診療は受けていないらしい。アメリカなので、恐らくそういった診療は高額だから余程でない限り受けられないのであろう。診断が下されていないため、第三者が病名で対象を呼ぶことは加害的ラベリングである。とはいえ、ひりつくような実害が出ている中、双方が出ていく状況ではない場合にどうすればよいのか、結果はわかっていても、最適解が浮かばない様にいたたまれなくなった。











