【Netflix】『ジェイ・ケリー』ベルイマンの安易な援用

ジェイ・ケリー(2025)
Jay Kelly

監督:ノア・バームバック
出演:ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップetc

評価:30点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Netflix作品『ジェイ・ケリー』を観た。ノア・バームバック作品はすこぶる相性が悪いもののヴェネツィア国際映画祭コンペティションに出品された作品だから鑑賞した。今回も案の定な感じであった。

『ジェイ・ケリー』あらすじ

「フランシス・ハ」「マリッジ・ストーリー」などの監督作に加え、「バービー」の脚本を手がけたことでも知られ、脚本賞および脚色賞でアカデミー賞に3度ノミネートされているノア・バームバックが、映画業界で活躍する俳優とマネージャーの苦悩や葛藤を、ユーモアを交えて描いたコメディドラマ。

有名な映画俳優ジェイ・ケリーと、献身的なマネージャーのロン。2人は慌ただしくヨーロッパを巡る旅に出ることになり、それが思いがけずそれぞれの人生を振り返る奥深い旅路となっていく。道中で彼らは、自らが下してきた数々の決断や、大切な人々との関係、そして自分たちが残していく遺産と向き合うことになる。

ジェイ・ケリー役をジョージ・クルーニー、ロン役をアダム・サンドラーが演じた。そのほか、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、グレイス・エドワーズ、ステイシー・キーチ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、そしてバームバック監督の妻でもあるグレタ・ガーウィグが出演。2025年・第82回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。Netflixで2025年12月5日から配信。それに先立つ11月21日から一部劇場で公開。

映画.comより引用

ベルイマンの安易な援用

本作は映画俳優のジェイ・ケリーとマネージャーのロンがひょんなことから列車で旅をする中で自分の人生を見つめ直すといった内容。明らかにベルイマンの『野いちご』や彼が得意とする実体/本心の関係性をコメディに落とし込んだといったもので、様々な役を演じてきたジェイ・ケリーが家族を前に空虚であることを知る様と、裏方として生きるが故に内面が空虚なロンが人生のメタファーである列車から脱線するように降りることで本当の自分を掴むような演出となっている。

とはいえ、この手癖のついたテーマは陳腐であり、そこに独自の論やユニークな演出を期待したのだが、単なるおじさん辛いよ映画に留まってしまったので退屈してしまった。
※映画.comより画像引用