フィフィ⼤空をゆく 4K(1965)
Fifi la Plume
監督:アルベール・ラモリス
出演:フィリップ・アヴロン、ミレイユ・ネーグル、アンリ・ランベール、ラウール・ドルフォスetc
評価:100点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
『赤い風船』『白い馬』で知られるアルベール・ラモリス監督幻の一本が突如、劇場公開された。大傑作である噂は聞いていたものの、エンカウントせず5年ぐらい経っての鑑賞だったのだが、想像を遥かに超える一本であった。
『フィフィ⼤空をゆく 4K』あらすじ
短編「赤い風船」「白い馬」で知られるアルベール・ラモリス監督が、「素晴らしい風船旅行」に続いて1965年に発表した長編作品。人間が羽で飛ぶことができたらという夢を描いたロマンティックファンタジー。
ある邸宅から時計を盗み、サーカス団に逃げ込んだフィフィ。支配人は警察に突き出さないかわりに、フィフィを背中に羽をつけて空中を飛ぶ危険な演目を披露する鳥人間に仕立てようとする。団員のミミに一目ぼれしたフィフィは練習を始め、やがて空を飛べるようになると、天使のふりをして再び時計を盗み、ミミに贈る。しかしミミに思いを寄せる猛獣使いと争いになり、サーカスは崩壊。警察の追跡がはじまるなか、フィフィは空高く舞い上がっていく。
2025年には、「赤い風船」「白い馬」の4Kデジタル修復版の公開にあわせた特集上映「映像詩人アルベール・ラモリスの知られざる世界」で、本作も4Kデジタル修復版で上映される。
ルパン三世が如く飄々と
本作はもしかすると「ルパン三世」の原点なのかもしれないほどに飄々と時計を盗み逃げ回るフィリップ・アブロンが彼にしか見えない。そして、コミカルなアクションの荒唐無稽さと厳格さに圧倒される。
冒頭で邸宅に侵入するフィフィ。時計を盗む。主がその気配を感じ扉を開けると、フィフィが閉じる扉の刹那を目撃する。その反復が追う/追われるの勢いを加速させやがて野外へ雪崩れ込む。その末にサーカスへ辿り着くフィフィだったが鳥人間に改造されてしまい、空を飛ぶ能力を得る。人外になったことで悲観するのかと思いきやその能力を使って女にモテようとしたり、泥棒家業に活かしたり、時に天使として人を救ったりする。善悪ニュートラルな存在としてスクリーンを縦横無尽に飛び回るのだ。当然ながらフィフィの飛翔はロープト等で行われるある種の特撮なのだが、やたらと高度が高く、技術も高度。たとえば、犬に追いかけられズボンを脱がされる場面では、どうやって撮影したのかと思うほどにロープの気配を隠すのが難しい撮影を見事に具象化させているのだ。
極めつけはライバルとの大乱闘スマッシュブラザーズ。DCコミック並みの耐久力を持ったフィフィとライバルが時計を投げ合い、時に小屋を粉砕しながら決闘する場面は腹を抱えて笑ったのであった。












