ソーリー、ベイビー(2025)
Sorry, Baby
監督:エヴァ・ビクター
出演:エヴァ・ビクター、ナオミ・アッキー、ルイ・キャンセルミetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
カンヌ監督週間 in Tokio 2025にて上映が決まった『ソーリー、ベイビー』は日本未公開映画界隈で評判となっていたので観た。そこまでハマらなかったものの、確かにこれは力強い作品であり、先日鑑賞した『果てしなきスカーレット』が描くべき心理葛藤のレベルはこのあたりだったのではと感じた。
『ソーリー、ベイビー』あらすじ
アメリカ北東部、ニューイングランドの大学で文学者を志すアグネスが、親友との深い絆を大切にしながら、人生を揺るがす難事に対峙していく物語。暖かくユーモラスな空気と、最悪の事態を迎えるビターな要素が巧みにブレンドされ、省略を効かせた静かな演出とスタイリッシュな映像のセンスが光る。本作が長編第1作となるエヴァ・ヴィクター監督が主演も務めている。サンダンス映画祭脚本賞受賞。
※カンヌ監督週間 in Tokio 2025より引用
それでも人生は続く
アグネスは大学院で文学研究をしていたのだが、教授にレイプされてしまう。その教授は大学を辞めてしまったので、大学のシステム上、調査も処罰もできないことがわかる。アグネスはトラウマを抱えつつも、その教授に復讐したり刑務所送りにすることは望んでおらず、何事もなく過ごそうとするのだが心の傷はそう簡単には癒えない。本作は、変えられない過去を前にどのように他者と関わっていくのかをじっくり見つめた作品である。トラウマ起因で人間不信になりそうだが、同時に人を求める。その揺らぎを埋める存在として子猫がいたり、少し
チャラい隣人の男がいる。特に興味深いのは後者であり、教授からレイプされたというトラウマを抱えながらも隣人と性的関係になっていく点である。復讐は何も生まない、ミサンドリーに陥るのも違う。その繊細さの中でどのように人生を歩むか模索する本作は、今の時代に必要とされている物語だといえる。













