【第38回東京国際映画祭】『アラーの神にもいわれはない』子ども向け『ジョニー・マッド・ドッグ』

アラーの神にもいわれはない(2025)
Allah n’est pas obligé

監督:ザヴェン・ナジャール
出演:SK07、トマ・ンジジョル、マルク・ジンガ

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第38回東京国際映画祭のアニメ枠で『アラーの神にもいわれはない』を観た。本作はコートジボワールの作家アマドゥ・クルマの代表作を映画化したもので、先日、配信した際に原作を読んだことがあるからチケット購入したと語るリスナーがいた。

『アラーの神にもいわれはない』あらすじ

母を亡くした10歳の少年は、コートジボワールにある故郷の村を離れ、叔母を探す旅に出る。国境を越えてリベリアに入ったビラヒマたちは反乱軍に捕らえられ、少年兵として働くことになる。西アフリカの国々の内戦と少年兵の実態を描く。コートジボワールの作家アマドゥ・クルマの代表作を映像化。

※第38回東京国際映画祭より引用

子ども向け『ジョニー・マッド・ドッグ』

本作は端的にいえばアニメ版『ジョニー・マッド・ドッグ』であり、少年兵の過酷な日々を描いている。

子どもにとって政治は確かに存在するものの漠然としており、歴史の渦中にいながら事象が点としてしか存在しない様をデジタルな喜怒哀楽と挿話の陳列で表現しているのが印象的である。

一方で、子どもにもアフリカの惨劇を知ってもらうためって側面があり、仕方がないとは思いつつもあまりにも呑気な落とし方には疑問が残る。少年兵は物語としてあそこで死ぬ、円環構造として閉じるべきである。