【第38回東京国際映画祭】『ドリームズ』構造のみで殴る移民問題

ドリームズ(2025)
DREAMS

監督:ミシェル・フランコ
出演:ジェシカ・チャステイン、イサック・エルナンデス、ルパート・フレンド、マーシャル・ベルetc

評価:30点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第38回東京国際映画祭にで上映されたミシェル・フランコ『ドリームズ』。今年のベルリン国際映画祭が大恐慌並みに不作だったので心配していたが、案の定であった。

『ドリームズ』あらすじ

アメリカで成功することを夢見るメキシコ人バレエダンサーのフェルナンドは、慈善活動に携わる富裕なアメリカ人女性ジェニファーと恋愛関係になる。フェルナンドは危険を冒して国境を越え、アメリカへの移住という夢を果たす。だが、人種も社会階層も異なるフェルナンドの存在は、ジェニファーがこれまで属していた世界を大きく揺さぶることになる…。アメリカの富裕層の慈善活動に潜む偽善性が残酷に描かれ、現在のアメリカの移民排斥問題を否応なしに考えさせる作品。フランコの前作『あの歌を憶えている』(23)に続いて主演したジェシカ・チャステインが、複雑な役柄のジェニファー役を見事に演じている。ベルリン映画祭コンペティションで上映。

映画.comより引用

構造のみで殴る移民問題

本作はメキシコ移民のダンサーが支援者の女に匿われながら夢を目指すといったもの。『パラサイト 半地下の家族』たる構造が移民問題に適用され、後半の極めて映画的逆転が白人の傲慢さを浮き彫りとするといったものだが、リューベン・オストルンド『逆転のトライアングル』同様、浅い構造だけで社会問題にコミットしようてする胸糞の悪い映画でしかなかった。

しかもショットとしての強さもないのでただただ出来の悪い陳腐さを魅せつけられてゲンナリした。