『ロングレッグス』深淵に追われる

ロングレッグス(2024)
Longlegs

監督:オズグッド・パーキンス
出演:マイカ・モンロー、ニコラス・ケイジ、ブレア・アンダーウッド

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

オズグッド・パーキンス監督は最近いきおいがあり、2026年も日本で1本公開される映画があるので遅ればせながら『ロングレッグス』観た。最近、配信まで待つ作品の打率が低いのだが、本作も比較的低空飛行で会った。

『ロングレッグス』あらすじ

ニコラス・ケイジが凶悪なシリアルキラー役を強烈なインパクトで演じ、全米で話題を集めたサスペンススリラー。

1990年代のオレゴン州。FBIの新人捜査官リー・ハーカーは、上司から未解決連続殺人事件の捜査を任される。10の事件に共通しているのは、父親が家族を殺害した末に自殺していること。そしてすべての犯行現場に、暗号を使って記された「ロングレッグス」という署名入りの手紙が残されていた。謎めいた手がかりをもとに、少しずつ事件の真相に近づいていくリーだったが……。

「イット・フォローズ」のマイカ・モンローがFBI捜査官リー役で主演を務め、「ディープ・インパクト」のブレア・アンダーウッド、「ルール」のアリシア・ウィット、「レッド・ワン」のキーナン・シプカが共演。「呪われし家に咲く一輪の花」のオズグッド・パーキンスが監督・脚本を手がけた。

映画.comより引用

深淵に追われる

要は『ゾディアック』を再構築したといったような作品。画面サイズを変更することにより客観/主観を切り替え、いつしか虚実曖昧な迷宮に引きずり込まれていく様を表現している。敵を追っていく中で、いつしかある種の陰謀論者のように自分にしか理解できない世界へと迷い込む。そして、敵こそあっさりと見つかれども、沼にハマり精神を蝕んでいく様子は、警察ものでありながら普遍的な人間の探求心に付けこんだ弱さを暴露する映画としてよくできている。しかし、その特性ゆえか全体的に物語の起伏が乏しく、仰々しい映像テクニックでゴリ押している感じが否めず、そこまでハマることはなかった。