獅子座(1962)
Le Signe du lion(1962)
監督:エリック・ロメール
出演:ジェス・ハーン、
ミシェル・ジラルドンetc
評価:80点
※去年書いてすっかりアップし忘れた記事です。
今年は角川シネマでエリック・ロメール特集が企画され話題になりました。ブンブン残念ながら行くことができなかったので、Amazonでロメール映画をいくつか取り寄せてみました。今日はその1本目「獅子座」を紹介します。エリック・ロメールのデビュー作だが果たして…
「獅子座」あらすじ
自称作曲家ピエールは莫大な遺産が入ることを知り、友人と豪遊しまくる。しかし、それが誤報だとわかりピエールは金も友人も失い、バカンスのパリを彷徨う…「金」による残酷さ
本作はエリック・ロメールのデビュー作でシンプルな内容になっているが、これが非常奥深い話となっていました。ある男の富豪から極貧に墜ちる過程が非常に残酷に描かれています。遺産相続を知り、豪遊騒ぎをしているときのピエールは、服装もオシャレで言動も気障なのだが、いざ金を失うと、見るも無惨な姿になっていく。
そして、友人も残酷。付き合うメリットがないと分かると、ピエールを無視して去って行く。時はバカンス。パリの町は陽気で浮かれている。リア充だらけのパリの町を貧民のピエールが歩く。まるでクリスマスの日に独身男性が町を歩いているかのように、惨めで辛すぎる。
ロメールは町や風景をキレイに映すだけに、これ以上はないほどに残酷。それ故に、救いのあるラストまで陰鬱に見える。
カイエ・ドゥ・シネマ ベストテンに入ったよ!
本作はエリック・ロメールのデビュー作だが、いきなりカイエ・ドゥ・シネマ ベストテンにランクインしました。その結果が下記の通りです。
1.女と男のいる舗道(ジャン=リュック・ゴダール)
2.突然炎のごとく(フランソワ・トリュフォー)
3.ハタリ!(ハワード・ホークス)
4.ビリディアナ(ルイス・ブニュエル)
5.獅子座(エリック・ロメール)
6.荒れ狂う河(エリア・カザン)
7.審判(オーソン・ウェルズ)
8.鏡の中にある如く(イングマール・ベルイマン)
9.捕えられた伍長(ジャン・ルノワール)
10.ヴァニナ・ヴァニニ(ロベルト・ロッセリーニ)
確かにエリック・ロメールは「カイエ・デュ・シネマ」の前身、「ラ・ガゼット・デュ・シネマ」の編集者&批評家故に、ランクインは当然とは言えるが、それにしてもこのラインアップ,,,凄いなー
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