テン・スカイズ(2004)
Ten Skies
監督:ジェイムズ・ベニング
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
イメージフォーラム・フェスティバル2025にて、ジェイムズ・ベニング『テン・スカイズ』が上映されたので観た。本業、4連勤の最終日に管理者としてのミスをやらかし心は曇天だったのだが、ジェイムズ・ベニングの空ASMR動画に癒された。
『テン・スカイズ』あらすじ
An experimental film portraying different skies in very long takes.
訳:さまざまな空を超長回しで描いた実験映画。
《空》10連ガチャ
本作は察しの通り、空を10個魅せていく内容となっている。空だけが映るので、その地の情景はフレームの外側にある。しかし、交通、動物、工場、無の音が我々の想像力を掻き立てる。
アンディ・ウォーホルは『エンパイア』で限りなく不動な動画を提示したが、本作には豊かなアクションがある。雲がにじり寄るように移動しているのだ。最初の空は、横に伸びる雲が上昇していく。別の空は八の字を横にし、開けた空間が気がつけば消滅している。中には、明らかに人工的な雲が下から生成されていく。雲の複雑な形を飛行機雲が思わぬ角度から斬りつける。
偶発性の空間であり、一見、ただ雲を撮影したようなイメージでありながら、狙ったキュレーションを行わねば仕留められない世界に感動した。
そして、少し寝た。ジェイムズ・ベニングが本気を出せばYouTubeのASMR動画界隈で天下を取れるであろう。