『What Marielle Knows』こどもはお見通しだ

What Marielle Knows(2025)
Was Marielle weiß

監督:Frédéric Hambalek
出演:ユリア・イェンチ、フェリックス・クラマー、レニ・ガイゼラー、Mehmet Atesci、Moritz von Treuenfels etc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第75回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された開催国枠『What Marielle Knows』を観た。

『What Marielle Knows』あらすじ

Julia and Tobias face hilarious and cringe-worthy moments when their young daughter Marielle unexpectedly gains mind-reading powers. As family secrets come to light, they struggle to maintain privacy and normalcy in their daily lives.
訳:ジュリアとトビアスは、幼い娘マリエルが予期せず心を読む能力を得たことで、笑えると同時にゾッとするような瞬間に直面する。家族の秘密が明らかになるにつれ、彼らは日常生活の中でプライバシーと平穏を保とうと奮闘する。

IMDbより引用

こどもはお見通しだ

我々が幼少時代、親が喧嘩をしていたり秘密を抱えていたりするのをなんとなく知っている経験はないだろうか。大人になると、子どもは無知だと思って振る舞うのだが、案外見透かされていたりする。その感覚を超能力に落とし込んだ作品が『What Marielle Knows』である。親の秘密を察知できるマリエル。それによって暴露された両親がスパイ戦のように娘を利用しようとする。これは超能力の有無にかかわらず、現実でも自分の味方をしてもらおうと娘をコントロールしようとする様と一致する。つまり、超能力を通じて家族の醜悪なパワーバランスを掘り下げていくような内容である。映画のタッチは淡々としながらも、右往左往する大人たちは滑稽であり、ドライ版「斉木楠雄のψ難」といった趣がある。ただ、日本公開はどうだろう?