The Blue Trail(2025)
O Último Azul
監督:ガブリエル・マスカロ
出演:ドニーズ・ワインベルク、ロドリゴ・サントロ、ミリアム・ソカラス、アダニロetc
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第75回ベルリン国際映画祭にて審査員特別賞を受賞したガブリエル・マスカロ『The Blue Trail』を観た。『PLAN75』のような作品を想像していたのだが、良い意味で裏切られた。
『The Blue Trail』あらすじ
To maximize economic productivity, the Brazilian government orders elderly people to move to remote housing colonies. A 77-year-old woman refuses and embarks on a journey through the Amazon that will change her destiny forever.
訳:ブラジル政府は経済生産性を最大化するため、高齢者に辺鄙な住宅コロニーへの移住を命じる。77歳の女性はこれを拒否し、アマゾンを巡る旅に出る。その旅は彼女の運命を永遠に変えることになる。
カタツムリでガンギマリ
高齢者をコロニーへ移住させるプロジェクトが施行されている世界。肉の加工工場で働いているテレザは自由を求めて逃亡し船旅を通じていろんな人物と関係を結んでいく。管理された社会と対照的に自然な流れとして河を象徴させ、そこに彼女の人生を注ぎ込むアプローチとなっている。河の広さに対し、スタンダードサイズで物語が展開されるので独特な画面構図になっている。そして、内容も想像以上にゆるい冒険ものとなっていて、Bunkamuraル・シネマやシネスイッチ銀座あたりで公開されそうな雰囲気を醸し出している。
本作は『Neon Bull』の監督作だけあって、マジック・リアリズム的演出がユニークである。特にカタツムリを用いてトランス状態になる場面は圧巻であり、男の目がガっと開き、青色になる場面は思わず笑ってしまうほどの面白さがあった。確かにこれは審査員特別賞も納得の作品であった。