【イタリア映画祭2025】『ヴェルミリオ』遅効性のメディアとしての書簡

ヴェルミリオ(2024)
Vermiglio

監督:マウラ・デルペーロ
出演:トンマーゾ・ラーニョ、ジュゼッペ・デ・ドミニコ、ロベルタ・ロヴェッリMartina Scrinzi、カルロッタ・ガンバetc

評価:30点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

イタリア映画祭2025にてヴェネツィア国際映画祭審査員大賞を受賞した『ヴェルミリオ』を観てきた。

『ヴェルミリオ』あらすじ

第2次世界大戦末期の1944年、アルプスの高地にある山間の村ヴェルミリオを舞台に、地元教師の家族間の複雑な関係や秘密、戦争の影響を繊細に描いた作品。戦地から脱走した兵士ピエトロが村にやって来る。やがて、ピエトロと教師の長女ルチアはお互いに強く惹かれ合うが、平穏な家族の日常に波紋が広がる。

Filmarksより引用

遅効性のメディアとしての書簡

山間部の村ヴェルミリオに脱走兵がやってきて、教師の娘に手を出すシンプルな内容。ラヴ・ディアス映画さながら、戦争の面影が伝わってくる様子が描かれているのだが、それと何度も反復して語られる遅効性のメディアとしての「書簡」を絡めてくるのは興味深い。

しかしながら、全体的に荘厳な自然でゴリ押しているイメージが強く、薄ぼんやりとした話が催眠的な一本となっている。また、ヴィヴァルディの「夏」を使って空間を繋げる場面があるのだが、イマイチ機能しているようには思えず、全くもって刺さらなかった。