その女を殺せ(1952)
THE NARROW MARGIN
監督:リチャード・フライシャー
出演:チャールズ・マックグロー、マリー・ウィンザー、ジャクリーン・ホワイト、ゴードン・ゲバートetc
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
プライム・ビデオでは定期的に珍しいクラシック映画が供給される。リチャード・フライシャーのフィルム・ノワール『その女を殺せ』がついにラインナップに入ったので観た。本作は終盤の窓を使った演出で知られている作品だ。この異様な窓の使い方が脳をバグらすのである。
『その女を殺せ』あらすじ
ブラウン刑事は、マフィアに関する重要な情報を握るニール夫人を列車で護送する任務を受けた。追っ手も乗り込む列車内、様々な乗客たちを巻き込みながら、ブラウンは密室内の攻防に打ち勝つことができるのか。
※プライム・ビデオより引用
リチャード・フライシャーの奇妙な窓
ブラウン刑事は情報を握っている女を連行しようとする。彼女は首飾りをぶちまける。飾りの一部は会談へと落ちる。そこに男がいて銃を構える。銃撃が行われるが相棒がくたばった代わりに女は生存する。今度は列車で護送するのだが、刺客が潜んでいる。狭い列車の中で攻防が始まる。
直前に『窓』を観ていたので、めちゃくちゃ怪しむ子ども2本立てになったのが面白い。子どもは「銃持っている、泥棒だよ」と喚き散らす。これがバレるかバレないかのサスペンスを引き立てる。本作では窓の反射を効果的に使っており、狭い列車の死角が強調される訳だが、終盤の立てこもり状態を突破するために複雑なフレームのショットを提示する。これは現実にあり得る構図なのか、全くシチュエーションがわからないのだが、確実に敵の動きを読み切り突破する様に圧倒される。こういうのが映画の魔法なんだろうと考えたのであった。