『Class Action Park』安全基準ガン無視ガン決まり遊園地

Class Action Par(2020)

監督:セス・ポージェス、Chris Charles Scott III

評価:65点

以前、五次元アリクイさんから紹介していただいた激ヤバ遊園地ドキュメンタリー『Class Action Park』を観た。本作は、1978~1996年まで実題したレジャー施設の安全管理に関して当時の従業員や来場者の証言を基に語っていく作品だ。私はよくYouTubeでのばまんやハヤトの野望チャンネルを観て、シミュレーションゲーム内で人間が蹂躙される様を楽しんでいるのだが、世界にはリアルでそれをやってしまった人がいた。それでは内容について語っていく。

『Class Action Park』あらすじ

A documentary that focuses on a dangerously legendary water park and its slew of injuries and crimes along with child safety concerns.
訳:危険な伝説のウォーターパークと、そこで起こる多数の負傷や犯罪、そして子どもの安全に関する懸念に焦点を当てたドキュメンタリー。

IMDbより引用

安全基準ガン無視ガン決まり遊園地

アメリカのレジャー施設「Action Park」は、株ブローカーであるユージン・マルビヒルによって1978年に建設された。当時の金融業界はまさしく『ウルフ・オブ・ウォールストリート』であり、クズ株を大量に売りつけ、値段を釣り上げたうえで売却する詐欺まがいの手法で財をなしていた。

そんな彼が建築したレジャー施設は狂気に満ち溢れていた。目玉となるのは一回転するウォータースライダーである。70年代当時の倫理観でも問題だったらしく安全テストを行うのだが、テスターに100ドル札を渡してテストを実施し、けが人が出てもOKを出してしまったとのこと。このウォータースライダーには一回転ゾーンの頭にメンテナンス用の穴を取り付けたのだが、運用者が確認したところ、歯が転がっていたらしい。

映画は数少ない当時のフッテージを補うようにアニメで凄惨さを物語るのだが、どれも生々しい。ボートが桟橋に座礁しているところに、新たなボートがツッコむ。モーターが高速回転しながら下敷きになった観光客へ襲い掛かるのである。『ファイナル・デスティネーション』も驚愕の事態である。

あまりに壮絶なレジャー施設だが、恐らくもみ消されたのであろう、実際に報道された死者は約20年間で6人となっている。このことからも、ユージン・マルビヒルの怖さがうかがえる。

結局、あまりにリスキーな施設だったがゆえにドナルド・トランプが出資を諦めているのだが、冷静な判断といえよう。