私を町まで連れてって(1953)
Take Me to Town
監督:ダグラス・サーク
出演:アン・シェリダン、スターリング・ヘイドン、フィリップ・リード、リー・パトリック、リー・アーカーetc
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
シネマヴェーラの特集「デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ」にて観た。ダグラス・サークは子どもの扱いがクレヨンしんちゃんのようであった。
『私を町まで連れてって』あらすじ
無実の罪を着せられた歌手のアン・シェリダンが、腐れ縁の男と保安官から逃げて舞台に復帰する。一方、寡の父の花嫁探しをする3人兄弟が彼女を見初める。この2つが平行して猛スピードで展開する胸のすくようなコメディ。シェリダンが教会建設のために興行をうっている最中に起こる捕物アクションの素晴らしさ。悪人は常に高いところに登り落下するのだ!
※シネマヴェーラより引用
保安官から逃げてガキにせがまれて
保安官に繋がれた女。「ちょっと花を摘みに」とトイレへ行く。保安官が油断したすきに、ガラスを割って外へと飛び出し逃走する。彼女は町に潜伏しショーガールとして活動するも、やがて保安官が町へと辿り着く。同じ空間にいながら、すれ違いを繰り返し映画はクライマックスへ向けて暴走していく。
本作ではこのショーガールに惚れ込んだ3人のキッズが登場し、あの手この手で自分の父親と結婚させようとする。父の結婚相手となるライバルもおり、その上で保安官から逃げないといけない極限状態にもかかわらず飄々と目の前のショーに向き合う彼女の逞しさに圧倒される。
映画の終盤では、芝居が行われる裏で保安官と男、ショーガールとの戦闘が行われる。虚構と現実が同時共存する中で、実際の銃声が芝居へ影響を与える芸術点の高さ。双方を崖の上から同時に捉えるショットの強さに感動した。