ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024)
No Other Land
監督:バゼル・エイドラ、ユーバール・アブラハム、ハムダーン・バラール、ラケル・ゾールetc
評価:65点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞最有力と囁かれている『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の日本公開日が2025年2月21日(金)に決定した。本作は、イスラエル・パレスチナ問題が日に日に悪化の一途を辿っている中、パレスチナ人とイスラエル人の監督がカメラを持って平和に向け手を取り合った記録である。試写で一足早く観たのでれびゅーしていく。
『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』あらすじ
This film made by a Palestinian-Israeli collective shows the destruction of the occupied West Bank’s Masafer Yatta by Israeli soldiers and the alliance which develops between the Palestinian activist Basel and Israeli journalist Yuval.
訳:パレスチナとイスラエルの集団が制作したこの映画は、占領地ヨルダン川西岸のマサファー・ヤッタがイスラエル兵によって破壊される様子と、パレスチナ人活動家バゼルとイスラエル人ジャーナリスト、ユヴァルの間に芽生える同盟を描いている。
目の前で故郷が破壊される痛ましさ
占領地ヨルダン川西岸のマサファー・ヤッタは危機に瀕していた。イスラエル兵が民家を破壊して更地にしようとしているのである。住民たちが「やめて」と抗議する前で無残にトイレがショベルカーによって粉砕される。廃墟になりつつある状況下でカメラを持つ者たちは手を取り合って惨状を撮り続ける。メディアにてイスラエル人が物申すと「お前はそっち側か」と激しい非難にさらされる。パレスチナ人は折角法律の勉強を学んだにもかかわらず、イスラエルの建築現場で低賃金肉体労働をせざる得ない状況に追い込まれる。映画は人が撃たれるところも余すことなく収めていく。実銃ではなくカメラという銃で平和を訴えかけているのである。『ルート181』から大分時間が経ったはずだが、世の中はさらなる悪化辿っている様に胸を痛めた。