『Away』巨人の面影

Away(2019)

監督:ギンツ・ジルバロディス

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

東京国際映画祭でギンツ・ジルバロディスの新作『Flow』が公開されるということで急遽『Away』を観た。アニメ映画では時折、ほとんど一人で制作した作品が話題となる。本作もそのひとつだ。インディーズゲームのような質感がある不思議な作品であった。

『Away』あらすじ

ラトビアの新進クリエイター、ギンツ・ジルバロディスがひとりで監督・製作・編集・音楽などを担当し、3年半の歳月をかけて完成させた長編アニメーション。飛行機事故で島に不時着した少年が、さまざまな土地をオートバイで駆け抜けていく姿を描いたロードムービー。全編にわたりセリフは一切なく、絶望から不安、孤独、そして希望をめぐる哲学的なメタファーに満ちた冒険の旅を、美しい映像でつづっていく。世界最大のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際映画祭では、革新性ある長編作品を対象としたコントルシャン賞を受賞。日本の新千歳空港国際アニメーション映画祭でも審査員特別賞を受賞するなど、各国で高い評価を獲得した。日本ではそのほか、2019年・第32回東京国際映画祭「ユース」部門上映で「アウェイ」のタイトルで上映されている。

映画.comより引用

巨人の面影

飛行機が不時着する。巨人に食われそうになるも青年は脱出し、円の門を潜り抜ける。巨人はそこへは入ってこれないらしい。そこは植物が生い茂っており楽園のように思えるがやはり故郷へ帰りたい!彼は残されたバイクやアイテムを回収して脱出する。

先日の東京国際映画祭作戦会議にて「ワンダと巨像」のような作品と聴いていたがまさしくその通りだった。というよりかは、映画ではなくオープンワールドのゲームとして遊びたいタイプの作品であり、4章それぞれで課される巨人との対決ミッションがどれも魅力的だったりする。

特に、軋む橋を渡る場面のサウンド効果が素晴らしく、緊迫感が伝わってくるものがあるのだが、それを踏まえての巨人戦が良い。巨人が橋を渡って追ってくる。しかし、巨人の肉体は可変であり、重さが存在しないようなものである。多少の軋みはあるが、崖の上の岩を落とさないと倒すことができない。果たして青年は撃退できるのか?おい、コントローラーを貸せ!遊ばせろ!と思ったのであった。

最新作『Flow』は猫映画とのことだが、ひょっとして猫が徘徊するゲーム「Stray」の影響を受けているのだろうか?
※映画.comより画像引用