Mongrel(2024)
監督:Wei Liang Chiang、You Qiao Yin etc
出演:Yi-ching Lu、Yu-hong Hong、Wanlop Rungkumjad etc
評価:20点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
東京国際映画祭のラインナップが発表されたら、次は東京フィルメックスのラインナップ予想だ。ジャ・ジャンクー新作や『シャンバラ/Shambhala』、『Stranger Eyes』あたりが来るだろうと見ているのだが、タレンツ・トーキョー関連でひとり候補を見つけた。『Mongrel』である。監督のひとりWei Liang Chiangはタレンツ・トーキョー修了生なのだ。昨年の傾向を踏まえると、招致するはず。ということで観てみた。
『Mongrel』あらすじ
Oom has no papers or formal training but is good at caring for the elderly and disabled. When his situation as a caregiver in the mountains becomes too much for him, he has to choose between survival or dignity.
訳:ウームは書類も正式な訓練も受けていないが、高齢者や障害者の介護が得意だ。山奥で介護をする身となった彼は、生存か尊厳かの選択を迫られる。
※Festival Scope Proより引用
おら、山村で介護するべだ!
公的な研修を受けてはいないものの、人の世話をするのができる者が山村へ派遣されて高齢者や障がい者のケアを行うのだが限界が来るといった内容。日本でも、介護の現場に移民を導入する動きがあると聞いたことがあるのだが、台湾にもそういった話があるようでフィリピンやシンガポールなどといった東南アジアからの移民に過酷な仕事を押し付け、倫理と無力感を突き付けている問題を暴き出す。
ある種「蟹工船」を彷彿とさせる内容ではあるが、閉塞感ものにありがちな「仄暗い映像と過酷な描写で押し切ろう」とする魂胆が見え据えていて幻滅した。雨に濡れる男を、別の男の影でマスクする描写は画として決まっていたのだが、全体的に閉塞感もののクリシェをなぞっているようにしか思えず残念であった。