『Drowning Dry』何かが起きる直前とその後

Drowning Dry(2024)

監督:Laurynas Bareisa
出演:ゲルマイン・グレムザイト、Paulius Markevicius、Giedrius Kiela、アグネ・カクタイトetc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

先日行われたロカルノ映画祭で監督賞を受賞した『Drowning Dry』を観た。

『Drowning Dry』あらすじ

To celebrate Lukas’ victory at the martial arts tournament and Tomas’ birthday party, their wife’s Juste and Ernesta organize a weekend at the summer house with a families. It was suppose to be a quiet weekend at countryside.
訳:ルーカスの武道大会での勝利とトマスの誕生日パーティーを祝うため、妻のジュストとエルネスタは家族で別荘での週末を計画した。田舎での静かな週末になるはずだった。

IMDbより引用

何かが起きる直前とその後

本作は姉妹とその夫を牧歌的な休暇で繋ぐ中に潜む厭な質感を捉えた作品である。夫に関して片や格闘家、片や小太りなおっさん。対照的に思えるが、週末にはどちらも大して家事を手伝わずに自由にしている。それを女性の目線から描くといったもの。

本作では、長回しを多用することで不安を煽る仕様となっており、最初の湖で遊ぶ男たちを段々とクローズアップしていく場面には厭な手触りがあった。そしてタイトルから察する通り、「溺れる」というインシデントが発生すると、シングルマザーとなった彼女たちの生活が描かれ、観客は行間を埋めるように彼女たちの人生と向かい合うこととなる。

確かに、脚本の構成とテーマこそ力強いものはあったが、あまり刺さる映画ではなかった。