「セトウツミ」池松壮亮×菅田将暉土手で会話するだけの傑作

セトウツミ(2016)

監督:大森立嗣
出演:池松壮亮、
菅田将暉、
中条あやみetc

評価:80点

就活時に観逃した映画
「セトウツミ」。
70分間ただ土手で会話するだけの
前代未聞な会話劇なのだが、
意外と評判がよく、
Twitterでもチラホラベストテンに
入れる人がいた作品。

果たして…

「セトウツミ」あらすじ

此元和津也の同名漫画の映画化。
大阪の男子高校生・瀬戸と内海は
放課後土手で暇を潰す。
だたソレダケの作品。

脚本が上手い

部活もなければ、これといった
事件もない。
ただ土手でボーイズトークを
するだけでどこまで面白く出来るのか?
そこを徹底的に極めた作品がコレだ。

会話だけの哀愁ある話と
言えば、内山勇士監督の
「紙兎ロペ」や「ノラスコ」
思い浮かべる。

それだけに実写でやるのは
危険な印象を受けた。
しかし、本作には映画ならではの
価値がある。

まるで落語のようにたたみかける
大森立嗣の脚本の上で、
池松壮亮が菅田将暉哀愁バリバリ
漂わせながら微妙な間と表情を
創り上げていく。
そして、コントのように
伏線を回収していく妙。

そして、動きある回想シーン。
映画ならではの3次元の空間を
活かしたギャグを展開している点、
「紙兎ロペ」にはない価値が生まれる。
そして、まるでそこに等身大の
高校生がいるようなリアリズムが
あり観ていて懐かしさを覚える。

男子高校生の会話ほど、
くだらなくておかしいものはない。
高校時代にタイムスリップさせてくれ、
尚且つスカッとするほど
リズム感のある掛け合いに
観ていて心地よい。

池松壮亮が菅田将暉が上手い

本作はまさに池松壮亮が菅田将暉あって
こその作品だ。
池松壮亮の冷めた感じに
菅田将暉の「ザ・イヌ」感が堪らない。

菅田将暉が「節があるゲーム」
しようと言う。
「○○には××な節がある」と言い合うゲーム
なのだが、あっさりと池松壮亮に
コテンパンに言いくるめられたり、
池松壮亮の神妙な面持ちが
明らかにナメクサッタ笑いに
しか見えないなど、
あー男子高校生っぽいなー
と思わせる感じが堪らない。

70分シュールに楽しませてくれる傑作であった。

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