【特集:アンパンマン】『それいけ!アンパンマン だだんだんとふたごの星』視野の狭さが滅亡の危機に

それいけ!アンパンマン だだんだんとふたごの星(2009)

監督:川越淳

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

済東鉄腸さんが、2024年下半期の目標としてアンパンマンの映画を全部観ると挙げていた。幼児アニメ映画はストイックで奥深い脚本であることが多いので、私も便乗して観ることにした。

『それいけ!アンパンマン だだんだんとふたごの星』あらすじ

ふたごの星の妖精キララとキラリは、ある日、地上に落下。キララはアンパンマンに助けられますがキラリは行方不明に。その頃、ドクターヒヤリの元に黒い星の子ギラリが現れます。さらに、星空では、世界を滅ぼすデビルスターが強大化し…。

Filmarksより引用

視野の狭さが滅亡の危機に

双子のキララとキラリは流れ星を生み出せる魔法を持っているが、その使い方を巡って喧嘩をしてしまい、スティックとスティックをクロスさせてしまう。すると強大な力が生まれ、ふたりはバラバラとなってしまう。キララはアンパンマンに保護される中、ばいきんまん一味が新しい仲間ギラリの魂を組み込んだダンダダンで猛攻を仕掛けてくる。しかし、ばいきんまんは知らなかった。星を滅亡させるデビルスターが間近に迫っていることに。

本作は視野の浅さが大勢を混沌に巻き込んでしまう様子を描いている。キララのエゴにより星が滅亡の危機に瀕することを彼女は知ることとなる。その状況を俯瞰的に観るようにばいきんまんが配置されており、デビルスターによる石化稲妻で街が大変なことになっているのに、アンパンマン打倒に執着してなかなか事態の深刻さに気づかない様子が描かれるのである。

さて、映画を分単位に分析してみると、2~4分ペースで場面が変わっている。タイトルロールまで無駄なく5分で描き切るところを見ると職人の業を感じる。1時間に満たない作品ながも、映画を観た満足感が味わえるほど高密度な内容となっているのだ。これは、全部観ていきたいものを感じた。