『我来たり、我見たり、我勝利せり』我らは人間狙撃ファミリー

我来たり、我見たり、我勝利せり(2024)
veni vidi vici

監督:ダニエル・ヘースル、ユリア・ニーマン
出演:ローレンス・ルップ、ウルシーナ・ラルディ、オリビア・ゴシュラー、ドミニク・ヴァルタetc

評価:30点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

シアター・イメージフォーラムのオーストリア映画週間2024にて『デビルズ・バス』と併せて『我来たり、我見たり、我勝利せり』を観た。

『我来たり、我見たり、我勝利せり』あらすじ

“破壊こそクリエイティブ!” 資本主義の終末的世界を極度にシニカルなユーモアで描き、本年のサンダンス映画祭で話題を呼んだセンセーショナルな問題作。
起業家として億万長者になり上がり、幸福な充実した人生を送るメイナード家。一家の長アモンは、趣味のハンティングに情熱を傾けている。アモンがハントするのは動物ではない。莫大な富を抱えた一家は何だって狩る事が許されるのだ…。「ユーモアは危険な時に最高に力を発揮する」という信念を持つ気鋭の監督デュオが、観る者に笑いと怒りを同時に発現させる。

※オーストリア映画祭より引用

我らは人間狙撃ファミリー

自転車で走る男が狙撃され崖から落ちる。そこへ男たちがやってきて、アイテムを回収し「リサイクルだね」と言って去っていく。とあるブルジョワジーファミリーには趣味があり、それは人間を狙撃することであった。

本作は政治家が罪を犯しても、適当にちょろまかしてしまう様を風刺したようなドラマであり、退廃的な暮らしの中における刺激として無差別殺人が行われる。逮捕されたりするがなんだかんだで釈放されてしまう様をダークコメディとして描いている。

本作における射撃シーンは気合が入っており、終盤における川の向こうにいる家族がひとり、またひとりと必殺の一弾によって倒されていくところは、FPSゲームのような爽快感がある。しかしながら、本作において面白いのは射撃シーンだけであり、他の退廃的な生活とダークな笑いがことごとくスベっているように感じた。

恐らく、映画の外側でのインテリ仕草が強くて、映画の表現として面白くないところが本作をつまらなくさせているところであり、鼻につくものにさせているのであろう。第一部が長いかつ虚無過ぎて何度も帰ろうかと思ったのだが、最終章が10分ぐらいであっさりと終わったので救われた。

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