『ゴールデンカムイ』連載漫画化する映画業界

ゴールデンカムイ(2024)

監督:久保茂昭
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎etc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

先日、渋谷PARCOの米とサーカスでゴールデンカムイ特集のチタタプを食べた。コリコリと弾力があって美味しかった。漫画についてミリしらな私であったが、急に興味を持ったので映画版を観に行った。最近の日本映画およびハリウッド映画の傾向について言語化できた作品であった。

『ゴールデンカムイ』あらすじ

明治末期の北海道を舞台にアイヌ埋蔵金争奪戦の行方を描いた野田サトルの大ヒット漫画を実写映画化。

日露戦争での鬼神のごとき戦いぶりから「不死身の杉元」の異名を持つ杉元佐一。ある目的のため一獲千金を狙う彼は、北海道の山奥で砂金採りに明け暮れていた。そんなある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った「のっぺら坊」と呼ばれる男は、捕まる直前に金塊を隠し、その在処を暗号にした刺青を24人の囚人の身体に彫って彼らを脱獄させた。金塊を見つけ出すべく動き始めた杉元は、野生のヒグマに襲われたところをアイヌの少女アシリパに救われる。彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇を討つため杉元と行動をともにすることに。一方、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉と、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組副長・土方歳三も、それぞれ金塊の行方を追っていた。

「キングダム」シリーズの山崎賢人が杉元、「彼女が好きなものは」の山田杏奈がアシリパを演じ、眞栄田郷敦、工藤阿須加、玉木宏、舘ひろしら豪華キャストが個性豊かなキャラクターたちを演じる。監督は「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭。

映画.comより引用

連載漫画化する映画業界

近年、一本の作品として評価するのが難しくなっている。これは日本だけに止まらない。ハリウッドでもワイルド・スピードやミッション:インポッシブルが、もはや3時間枠でも収まらなくなってきているので前編/後編スタイルをとるようになってきている。日本では、連載漫画のように続編を匂わせて終わるケースが相次いでいる。映画の連載漫画化、あるいは連続ドラマ化が著しいこととなっている。そして、内容もひたすらアクションを詰め込んだものとなっている。この流れはかつてフランスで連続活劇が作られた時代に戻ろうとしているのではないだろうか?ルイ・フイヤードがファントマを作ったように、フレームを作っておき、いくらでも話を引き延ばせるようにした形式、運動で物語る形式。情報過多、集中力が持たない時代はサイレント映画時代とリンクしているような気がした。

閑話休題、『ゴールデンカムイ』は噂通り、丁寧に作られた作品だと感じた。冒頭の二百三高地の場面では、カメラが自由に回り込む中で壮絶な戦いを記録していく。アイヌ文化は注釈付きで歴史漫画のように解説していく。ギャグも滑ることはない。疾走感もって、次々と現れる刺客を倒していく。そして身体運動はアニメ的しなやかさで描かれる。本作がヒットしているのも分かるほどに、ミリしらでも世界観に惹き込まれた。

一方で、一本の作品としては挿話がとっ散らかっている印象を受けた。まさしく漫画第一巻で様々な伏線や要素を張り巡らせて終わるようなイメージがあり、映画としてはモヤモヤするところがあったのだ。

※映画.comより画像引用