おやすみ オポチュニティ(2022)
Good Night Oppy
監督:ライアン・ホワイト
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
Amazon Prime Videoで配信された『おやすみ オポチュニティ』が面白そうだったので観てみた。宇宙ドキュメンタリーはロマン、情熱激る作品が多いイメージがあるのだが、本作も例に漏れず感傷的な気分になる作品であった。
『おやすみ オポチュニティ』あらすじ
「おやすみ オポチュニティ」が描くのは、90日間の予定で火星に送られたものの、15年の長きにわたって任務を続けた探査車オポチュニティの驚くべき実話だ。オポチュニティが火星でたどった画期的な旅路や、ロボットと人間のすばらしい絆を伝える。
遥か遠い火星で想いと音楽を胸に
宇宙に魅力を抱く世界各国のエンジニアが一堂に会し、とあるプロジェクトに打ち込む。それは火星に探査車を送り込むことだった。莫大な予算がつぎ込まれていることもあり、カンファレンスでは厳しい指摘にさらされることとなる。カメラは、渋い顔をするエンジニアの姿を捉える。しかし、めげずにオポチュニティを火星に送り込んだ。火星についても油断はできない。車輪が引っかかり走行不能になったりするのだ。チームは知恵を絞りながら打開策を練る。当初は90日間で終わるはずだったプロジェクトも、1年、2年と伸びていく。それに合わせて、ロケット打ち上げ当初中高生だった者が、この夢を胸にしながらプロジェクトに入り、泥臭く、でも高揚感ある現場の渦に飲み込まれていく。厳しい現場だからこそのユーモアもある。オポチュニティと通信を取るために、ABBAの「S.O.S.」などといった曲を流すのだ。論理的に考える必要がある空間であるが、それでも「祈り」が必要になる場面がある。このような空間で醸造された熱気は、機械の塊であるオポチュニティに人間味を与えていく。部外者である我々観客も段々と、オポチュニティに顔があり、性格があり、一人の人間なのではと思うようになっていく。60年代と比べると、宇宙計画は無意味に感じる時代かもしれない。しかし、火星に生命の可能性があるのではという想像力から壮大なプロジェクトを完遂させていく人間の活動をみると、失われた夢を取り戻したような気分になるのである。
※IMDbより画像引用