『ランボー ラスト・ブラッド』眼には眼を!鎖骨を!!首を!!!

ランボー ラスト・ブラッド(2019)
Rambo: Last Blood

監督:エイドリアン・グランバーグ
出演:シルヴェスター・スタローン、パス・ベガ、ルイス・マンディロアetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

昨年から、アメリカで酷評され、日本でも賛否が分かれている『ランボー』シリーズ最終章『ランボー ラスト・ブラッド』を観ました。実は『ランボー』シリーズは中学時代に1作目を観たくらいで、「ランボーは乱暴だなぁ」と寒いギャグしか出てこない程あまり印象に残っていない。ミーハーな私でも最終章は楽しめるのだろうか?と思ったのですが、寧ろ『ランボー』に思い入れのない方が純粋に楽しめる作品でした。

『ランボー ラスト・ブラッド』あらすじ


シルベスター・スタローンの「ロッキー」に並ぶ代表作で、1982年に1作目が製作された人気アクション「ランボー」のシリーズ第5弾。グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは、いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれていた。ランボーは祖国アメリカへと戻り、故郷のアリゾナの牧場で古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていた。しかし、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されたことで、ランボーの穏やかだった日常が急転する。娘のように愛していたガブリエラ救出のため、ランボーはグリーンベレーで会得したさまざまなスキルを総動員し、戦闘準備をスタートさせる。監督はメル・ギブソン主演作「キック・オーバー」を手がけたエイドリアン・グランバーグ。

眼には眼を!鎖骨を!!首を!!!

通常、この手の筋肉アクション映画は強面ながら、それとなく善人のオーラを主人公は纏うものだ。しかしながら、ジョン・ランボーは違う。完全に悪人顔で、ひょっとするとシワシワになった顔はポール・マッカートニーが彼を知らない園児にとってお婆さんに見えるように、優しいおばあちゃんなのではと思うのだが、そんな刹那の感情の揺らぎも捻り潰すほど、確実に敵を殺そうとする。その手捌きと、殺しを楽しんでいるような勇姿は、『エンド・オブ』シリーズのジェラルド・バトラーを凌駕するものがあります。

孫娘ガブリエラが敷かれたレール、擦り倒されたクリシェを爆走し、案の定過激派集団に囚われてしまう。彼女の悲痛な叫びの轍を追ってランボーは忍び寄る。いや、もはや正面から隠れる気もなく猪突猛進敵陣へと突っ込んでいく。

日本では所謂イケメン俳優が女子を壁に追い込み、ドン!と壁ドンをかますのに対して、ランボーはズドゥン!!と重々しい一撃を筋肉隆々とした下っ端にかますのだ。それが戦争開幕の合図。敵のアジトに入るなり、問答無用で首を足を仕留めていく。

眼には眼をでは甘い!

眼には眼を、鎖骨を、足を、首を!と言いたげに眼中に入る敵を仕留めていくのである。鎖骨を仕留める時のランボーの顔に注目していただきたい。肉弾戦故に直接感じる視覚的、触覚的痛みを押し殺しながら、敵に言葉を吐かせようとする。長年の死闘で培った歴史ある重い表情がスクリーンの外側にいる我々にまで痛みをお届けするのだ。

そして、そんな彼は冒頭からチラつかせる謎のシェルターにメキシコ軍団をお誘いする。まるで自分の作ったテーマパークの披露宴だと言いたげに。そうです。そこはテーマパークであった。魔界村も驚愕!初見殺しなギミックで覆われた。

大爆発でお出迎えするシェルターは、落とし穴に、おっと横や下の隙間に注意と、あらゆるところから釘やら鋭利な何かやらが降り注ぐ。その狭間からランボーは照明弾やらショットガンをお見舞いする。サプライズと!確かに本作ではメキシコ人が悪く言われすぎていて、昨今の風潮とは合わないかもしれない。しかし、悪をこれ以上にないほど滅多打ちにしてオーバーキルしていくスカッとアクションはこの息苦しい今にピッタリな特効薬とも言える。

パワーで押し切っており、ガバガバアクション映画に見えるかもしれないが、その通りです。でも80年代の痛快アクションって大抵こんなもんでしょう。午後のロードショー、木曜洋画劇場の筋肉祭は純粋な娯楽映画として最高に楽しませてくれる代物であった。

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