『RETABLO』ジャガイモで人形を作る少年は同性愛嫌悪の町に心痛め

RETABLO(2017)

監督:Alvaro Delgado-Aparicio
出演:Junior Bejar Roca、Amiel Cayo、Magaly Solier etc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

米国iTunesでペルーの珍しい映画を見つけました。『RETABLO』はペルーのLGBTQ(ゲイ)映画で、父と共に祭壇画(RETABLO)を作る少年が町に蔓延る同性愛嫌悪の文化に心痛めていく話だそうです。実際に観てみると、これがあまり観ないタイプの作品でありました。

『RETABLO』あらすじ


Segundo Paucar, wants to become a master story-box maker just like his father to carry on with the family legacy.
訳:Segundo Paucarは、父親が家族の遺産を継承するのと同じように、祭壇画になりたいと考えています。

ジャガイモで人形を作る少年は同性愛嫌悪の町に心痛め

本作について語る前に、ペルーの祭壇画(RETABLO)文化について軽く押さえておきましょう。ペルー高地先住民は、宗教や歴史、はたまた日常の出来事を彩色豊かな箱の中にミニチュアを置く祭壇画を作る文化があります。主人公の少年は父の跡を継いで祭壇画職人になろうと、ポンチョを直す軽作業から始まり父を真似てジャガイモを捏ね、人形を作ったりしています。そして定期的に山奥から町へ長い道を歩き、時にはヒッチハイクして向かい、日銭を稼ぎます。

町では、男が鞭に打たれたり、リンチされているのがある種の恒例行事になっており、一度それが行われると野次馬が集まってくる。そんな町にモヤモヤした感情を抱く少年Segundo Paucarはパーティーの中で、同性愛者のコミュニティを知り、次第に傍観者でいられなくなってしまう。父は、町の人同様、同性愛嫌悪者だ。コミュニティで知り合ったNoéとの関係がバレてしまうと祭壇画の夢も叶えられなくなってしまう。少年は、大きな天秤の中で苦しめられていくのだ。

祭壇画職人とは、観察の上で成り立っているその要素から、傍観者としての罪意識が引き伸ばされ、村社会の静かに忍び寄る暴力をAlvaro Delgado-Aparicio監督は捉える。そのユニークな視点と力強いメッセージに魅力を感じました。Alvaro Delgado-Aparicio監督は今後注目の監督である。

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