見えざる人生(2019)
原題:A vida invisível de Eurídice Gusmão
英題:Invisible Life
監督:カリン・アイヌー
出演:フェルナンダ・モンテネグロ、キャロル・ドワーティ、ジュリア・ストックラーetc
評価:40点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
この前のカンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリに、透明ランナーさん(@_k18)が注目しているブラジルの監督カリン・アイヌー最新作が輝いた。ある視点部門は、コンペティションや通常の映画賞では輝きにくい奇をてらった作品が受賞する賞で去年は『ボーダー 二つの世界』が受賞している。そんなカリン・アイヌー最新作をラテンビート映画祭で観てきました。
『見えざる人生』あらすじ
1950年のリオデジャネイロ。18歳のユリディス・グスマンはクラシック音楽のピアニストになる夢をかなえるためウィーンの音楽学校を目指している。彼女には強い絆で結ばれた2つ年上の姉ギーダがいたが、二人の人生は厳格な父によって引き裂かれてしまう。家や社会で男性から支配され、もがきながら自由を得ようとする女性たちの人生をドラマチックに描いている。女性作家マルタ・バターリャの同名小説の映画化。『セントラル・ステーション』で知られる名女優フェルナンダ・モンテネグロが主人公の晩年を演じている。2019年のカンヌ国際映画祭ある視点部門作品賞受賞。2020年の米国アカデミー賞国際長編映画賞部門ブラジル代表作。
※ラテンビート映画祭公式サイトより引用
ピアニスト要素がガバガバ過ぎて涙目
2010年代のある視点部門グランプリは『ボーダー 二つの世界』に始まり、『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』、『消えた画 クメール・ルージュの真実』と変わった作品が受賞しているイメージが強いのですが、本作は割と王道な文芸大河ドラマとなっている。幼くして別れ離れになった姉と妹が、手紙を通じて互いの見えざる人生を描いていくというもの。姉ギータは移民として世界を飛び回るが、男運に恵まれず壮絶な人生を送る。一方、妹は姉に会いたいと切望しながらピアニストの夢を叶えようと自らの人生を歩む。ペドロ・アルモドバルが得意とするじっくりコトコトと人生を回想していくスタイルを取っている作品であるが、突然時間が大幅に進み、姉か妹かわからなくなる演出が随所に取られる独特の面白さがアクセントになっています。
しかし割と粗の強い作品であり、そこまで上手いとは思わなかった。証明にこだわり過ぎていて、コスチュームプレイにも拘らず衣裳に力が入っていない感じが気になる。また、中盤姉と妹の人生が交差しそうでしないという演出に監督都合が見え見えだったりする。そして極め付けは、妹のキャラクターを彫り込む為に用意されたピアニストという要素が全く活かされていないということだ。それにより、彼女がピアニストとして褒められても全く説得力がなかったりするのだ。
残念ながら初カイン・アイヌー映画は不発に終わりました。
ブロトピ:映画ブログ更新
コメントを残す