湖上のリンゴ(2019)
原題:Aşık
英題:Food for a Funeral
監督:レイス・チェリッキ
出演:タクハン・オマロフ、ズィエティン・アリエフ、マリアム・ブトゥリシュビリetc
評価:30点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
ヌリ・ビルゲ・ジェイランや、エミン・アルペル、セミフ・カプランオールとトルコの逸材を発掘するので有名な東京国際映画祭。そんな東京国際映画祭が注目するレイス・チェリッキの新作『湖上のリンゴ』は、上映時から酷評吹き荒れ大惨事となっていた。恐る恐る観たのですが、これが意外にも面白かった。と言う訳で感想を書いていきます。
『湖上のリンゴ』あらすじ
辺境の地。伝統楽器の名人になる夢を持つ少年は、師匠のお供で遠出をする。そして女の子にリンゴの土産を約束するが…。伝統と文化を絶景の中で堪能する現代の寓話。チェリッキ監督は『沈黙の夜』で第25回TIFF最優秀アジア映画賞を受賞。
※東京国際映画祭サイトより引用
落ちてた腐ったリンゴに妄想する男
レイス・チェリッキもまた東京国際映画祭が発掘し育てている映画監督だ。彼は、1961年に東アナトリアのアルダハンで生まれる。中学校卒業後イスタンブールに移り、州立音楽院で音楽と演劇を学びました。 1982年にジャーナリズムのキャリアを始め、経済学/政治特派員として全国紙を中心に執筆していた。数年後、彼のインタビューと写真はいくつかの国際的な新聞や雑誌に掲載され知名度が上がります。その頃から、彼はドキュメンタリー映画、商業および政治キャンペーン映画の制作を開始し、スチル写真への関心が高まる。1996年、彼はトルコ南東部のクルド人紛争を扱ったデビュー作品『IşıklarSönmesin』を制作。アダナ映画祭で撮影賞、アンカラ国際映画祭で最優秀音楽賞を受賞する。彼は1998年に1970年代初頭トルコの学生運動中心人物にフォーカスを当てた『HosfeatureçakalYarın』、故郷アルダハンで即興的に撮ったドキュメンタリー『Inadina film çekmek』を発表する。2012年の『沈黙の夜』では、14歳の少女が刑務所帰りの60代男性と結婚する模様を描き第25回東京国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞している。
そんなレイス・チェリッキ監督の新作は、氷の上にある齧られたリンゴについて吟遊詩人っぽい二人組が、食べようか食べまいか、齧った主は美女かどうか延々と語る大草原不可避演出から始まり、少年の民族楽器マスターへの道のりが描かれる。スピリチュアルで美しい風景ゴリ押しな演出で、確かに苦手な人がいるのは分かるが、悪くはない。
しかしながら、本作には幾つか致命的な欠陥があった。事前に親友から聞いていたのだが、流石にドン引きであった。例えば、木を燃やす場面があるのだが、火力が足りず根元の方しか燃えていない。しかし、次の場面では、明らかにガソリンかなんかを木全体に投げつけたのか不自然な大炎上を魅せている。
また、ヤギを解体する場面では、解体後のヤギ肉が明らかに加工済み肉であり、血の毛が全くないのです。
予算がなかったのだろうか?それにしてもあまりにも雑な演出で映画が台無しになっている気がした。
これがコンペティションに選ばれるってことは、選ばれなかった作品はどれだけ低レベルなのかと不安になる作品でした。
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