HELLO WORLD(2019)
監督:伊藤智彦
出演:北村匠海、松坂桃李、浜辺美波、子安武人、寿美菜子、福原遥etc
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
公開前から気になっていた『HELLO WORLD』観に行きました。3DCG特有の気持ち悪さと、タイトル&予告編から漂う地雷臭に嫌な予感しかしなかったのですが、これがなかなかの良作でした。どうやらクセが強すぎる絵のタッチのせいか観客動員が悪いそうなので、ネタバレなしで感想を書いて応援しようと思います。別にブンブンが考察しなくても、アニメに強い人が素晴らしい考察をしてくれると思うので。
『HELLO WORLD』あらすじ
人気アニメ「ソードアート・オンライン」シリーズの伊藤智彦監督が、近未来の京都を舞台に描いたオリジナルのSF青春ラブストーリー。2027年、京都。内気な男子高校生・直実の前に、10年後の自分だという人物・ナオミが現れる。ナオミによると、直実はクラスメイトの瑠璃と結ばれるが、その後彼女は事故で命を落としてしまうのだという。直実は瑠璃を救うため、大人になった自分自身とバディを組んで未来を変えようと奔走する。しかしその中で、瑠璃に迫る運命やナオミの真の目的、そしてこの現実世界に隠された秘密を知り……。「君の膵臓をたべたい」の北村匠海が主人公・直実の声で声優に初挑戦。10年後からやって来たナオミの声を松坂桃李、ヒロイン・瑠璃の声を浜辺美波がそれぞれ演じる。「正解するカド」の野崎まどが脚本、「けいおん!」の堀口悠紀子がキャラクターデザインを担当。
※映画.comより引用
HELLO WORLD ≠ YOUR STORY
#include
int main()
{
printf(“HELLO WORLD\n”);
return 0;
}
これはC言語を習う者が最初に触れるソースコードである。「HELLO WORLD」と画面に表示させます。この映画のタイトル『HELLO WORLD』はエンジニアにとって《YOUR STORY》と翻訳することができる。C言語だけでなく、Pythonだろうがなんだろうが、最初に触れるソースコードであり、エンジニア最初の1歩を表している。
さて、そう考えた際に予告編踏まえ様々な不安が脳裏を駆け巡る。なんたって最近世にも恐ろしい「YOUR STORY」を我々は覗き込んでしまったからだ。
「最後の1秒で全てが覆る」
それって本末転倒じゃん!と思うキャッチコピーもあり不安、不安、不安であった。
しかし、これが映画の美しき魔法に満ち溢れた作品であった。『パプリカ』の今敏を超えようとして、超えられてない感触はあるものの、不気味の谷の極みな違和感ありありアニメーションの動きの生理的拒絶感が90分後に氷解する快感をもたらした。
主人公のウォールフラワーボーイは、高校生デビューに失敗し、開幕早々、掃き溜めに根付こうとする。高嶺の花の萌え系ロリータに舐めるような官能的眼差しを捧げ、指を咥えながら。
そんな彼は世界の真実に気づく。未来から来た《自分》によって。そして、同じくウォールフラワーである少女に恋せよ!己を救う為にという指令に従い、疑惑の恋の轍を歩く。
5分に一度、「えっ?」となるツイスト。そして、映画を観慣れている人ならパズルのように、様々な作品の要素を重ね合わせ、本作の真実に辿りつこうとするのだが、抜けそうで抜けない知恵の輪故、底が見えない。何がおかしいと勘ぐるうちに、「あれっ?」と不気味の谷が眼前から消えていることに気づくのだ。
一見二番煎じで弱い映画に見えるし、実際そうなのだが、簡単に斬れない、寧ろ観る者を没頭させるものをこの映画は持っていた。
キャッチコピーにあるラスト1秒も《本末転倒》ではなく説得力があったので、個人的に大満足でした。
やはり、99% Not for meだと分かっていても、1%の奇跡があるから、こういった映画も観に行こうと思う。そんな1%の多幸感を味わせてくれる作品でした。
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